F1 Topic:“興奮しすぎていた”イモラでの予選。角田裕毅「さらにいいラップを決めてやるという気持ちだった」
イモラで行われた第2戦エミリア・ロマーニャGPの予選で、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)がクラッシュした。筆者は角田のレースをFIA-F3時代から見ているが、角田があのようにミスして単独でクラッシュするのを見たのは初めてだ。
そこで、ホンダの山本雅史(マネージングディレクター)氏にも尋ねてみた。すると、山本MDも「テストでタイヤをちょっと脱輪したり、ハーフスピンしたり、コースを外れたりしたことはあったが、壁に当たったことはない。ああいうクラッシュはF3、F2でもなく、イモラの予選が初めてです」と、角田がクラッシュしたことを驚いていた。
つまり、角田があのような形でクラッシュしたのはヨーロッパに来てから、初めてのことだった。
では、角田がこのようなクラッシュを犯したのは、いつ以来なのか。第3戦ポルトガルGPの木曜日に角田に直接、聞いてみた。
「あのようなクラッシュをしたのは、F4(日本選手権)以来ですね。2017年のオートポリス以来です。予選でした。あのときも、プッシュしすぎた……。それ以外はないです」
2017年は角田がF4の日本選手権に初めてフル参戦した年だった。そのクラッシュから角田は多くのことを学び、それ以降、同じミスは繰り返さなかった。
それから、4年後。角田は再びクラッシュした。それは、単なるミスではなく、攻めすぎたゆえにはまってしまったワナだったと言ってもいいだろう。
「予選ではトップ4を狙うなど、目標を高く設定していた」と言う角田は、バリアンテ・アルタでのドライビングを次のように振り返った。
「シケインまではある程度キマっていて、興奮しすぎていたのもあり、さらにいいラップを決めてやろうという気持ちでした。少しブレーキングも奥めで、そのレースウィークでは一度も試していないようなブレーキングをしてみようと。うまくいったとしても後ろが流れるだろうなと、ある程度予想していました」
「逆に決め切れれば、速くなるだろうと思っていたし、そうなれば、次のQ2、Q3に向けて、(限界点を見つけるという点で)早くアダプトできるなと思っていたので無理しすぎたら、バリアに行ってしまった。半分予想していたので思っていたより落ち着いていました。むしろ、悔しい気持ちの方が大きかった。Q1でするべきではなかった、と」
冷静なドライビングが持ち味の角田が、なぜ、あの予選で興奮していたのか。
「だって、イモラは僕の大好きなサーキットだったから。チャレンジングでスリリングなコースで、そのなかで予選の緊張感というのもあって、アドレナリンが出過ぎてしまって……」
ミスを犯してしまったことは残念だが、冷静な角田を興奮させるほど、アルファタウリのマシンはイモラで速かった。そのことは、ポジティブな結果としてとらえ、3戦目のポルトガルGPに臨んでほしい。
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