「彼女が自分で引き起こした」加藤未唯の失格騒動で誹謗中傷を受けたブズコワが母国メディアで本音を吐露「おかしな話」
ソリベストルモとのペアでウインブルドンに挑むブズコワ。その一大トーナメントを前に、世間を揺るがせた騒動に対する心境を打ち明けた。(C)Getty Images
「パリのあと、すべてが間違った方向に向き、私がキャリア全体で築いてきたものでさえ、どこかに忘れ去られてしまいました」
母国メディア『iROZHLAS』のインタビュー取材に応じたチェコ出身のプロテニスプレーヤーであるマリー・ブズコワは、先の全仏オープンで起きた一大騒動に対する心境を打ち明けた。
【動画】波紋を広げた加藤の失格騒動。 ブズコワが嘆いた物議を醸したボール直撃の瞬間をチェック
騒動が起きたのは、現地6月4日、全仏オープンの女子ダブルス3回戦だった。サラ・ソリベストルモ(スペイン)とペアを組んだブズコワは、加藤未唯/アルディラ・スーチャディ(ザイマックス/インドネシア)組と対戦。その第2セットの5ゲーム中に、加藤が何気なく相手コートに返した打球がボールガールの頭部を直撃し、ショックのあまりに少女は号泣。主審はいったん加藤に警告を言い渡した。
しかし、これにブズコワのペアが猛反発。泣きじゃくる少女を差して「血が出ているじゃない」と主張すると、審判はスーパーバイザーと協議。その結果、判定は覆って、加藤は失格処分を食らい、試合中止が決定。さらに28歳の日本人は女子ダブルスでの賞金とポイントを剥奪され、罰金まで科されたのである。
このテニス界を揺るがせた騒動において、猛烈なバッシングを受けたのは、ブズコワとソリベストルモのペアだった。執拗な抗議を繰り返した行動が「スポーツマンシップに欠けるものだった」として、大衆はもちろん、プレーヤー仲間たちからも問題視する声が噴出したのだ。
一時はインスタグラムの閉鎖にまで追い込まれた。そんな壮絶な誹謗中傷を受けても、ブズコワは大会後に沈黙を貫いていた。がしかし、ついに彼女は母国メディアで本音を赤裸々に語ったのである。
チェコ・メディア『iROZHLAS』の取材に応じた24歳は、「試合が終わっても彼女(加藤)はずっと話し続けたので、私たちは1週間後にSNSを削除しなければならなかった」と漏らし、こう続けた。
「WTA(女子テニス協会)は敬意を払い、私たちにむしろ中立的な立場でいるようにとアドバイスをしてくれました。審判や他の選手たちに実際の状況を説明したところ、彼らは『憶測で話す必要なんてないよ』と言ってくれました。彼女が自分で引き起こしたこと」
さらに「彼女(加藤)が別の方向に向けていったのだから、おかしな話です」とも訴えたブズコワは、ボールが直撃したシーンについて「最悪だったのは、彼女がゆっくりボールを打って、すぐに駆けつけたように見える15秒ほどの動画がインターネット上にあったこと。実際に彼女が少女の元に謝罪に向かったのは10分後であり、審判と同じタイミングだった」と主張。そして、自分たちが批判を受ける要因となったソリベストルモとの笑顔の会話について、次のように説明している。
「私とサラが話しているときに、私のスペイン語が文法的におかしかったからサラが笑っただけ。それが相手ペアの失格直後に『不適切に笑っている』というようになってしまったのです。事実とはまるで違う」
自らの言い分を世間に訴えた若きチェコ人プレーヤーは、「(SNSの)コメントはまだ読みたくないです……」と吐露。今月2日に更新したインスタグラムにも相次ぐなど、依然として目についてしまう誹謗中傷について「みんな親切にしてくれてはいます。子どもたちが写真を撮りたいって駆け寄ってきてくれるし、私にはいまでもファンはいるんです」と語った。
自身がバッシングに晒された騒動にやりきれない思いを告白したブズコワ。そのストレートな訴えに加藤は何を思うだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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