ホンダ田辺TD「今後に弾みをつける2位。PUとしても最大限のパワーでサポートできた」【F1第3戦決勝】
2020年F1ハンガリーGP決勝で、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは2位、アレクサンダー・アルボンは5位だった。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのダニール・クビアトは12位、ピエール・ガスリーはリタイアとなった。
フェルスタッペンは、グリッドへと向かうレコノサンスラップ走行中、ターン12でクラッシュを喫し、左フロントのサスペンションとフロントウイングを破損。しかしレッドブルのメカニックの懸命な作業により、修理が間に合い、無事スタートを切ることができた。
ウエットコンディションによりインターミディエイトタイヤでスタートしたフェルスタッペンは、7番グリッドから3番手に浮上。4周目にミディアムタイヤに交換すると、ルイス・ハミルトン(メルセデス)の後ろ2番手を走行、36周目にはハードタイヤに替え、2回ストップで走った。レース後半には、スタートでポジションを落とした後に追い上げてきたバルテリ・ボッタス(メルセデス)が後方から迫ってくるが、追撃を振り切り、2位フィニッシュを成し遂げた。
アルボンは13番グリッドからインターミディエイトでスタート、ミディアム、ハードと交換する2回ストップで走った。5周目にはポイント圏内の9番手に浮上、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)をオーバーテイクするなどして順位を上げ、最終的に5位を獲得した。
アルボンについては、スタート前のグリッドをレッドブルが乾かしていたという規則違反の疑いで審議されたが、積極的に路面のグリップを改善しようとする意図はなかったと認められ、ペナルティは科されなかった。
クビアトは17番グリッドからインターミディエイトでスタート、1周目に早々にソフトタイヤに交換、18周目にハードに換えた後、70周のレースをそのまま走り切った。12位完走となり、入賞には届かなかった。
ガスリーは10番グリッドからインターミディエイトでスタート、3周目にソフトに交換した後、ポイント圏外に落ち、ギヤボックスにトラブルを抱えてピットに戻り、そのままリタイアすることになった。
■ホンダF1テクニカルディレクター 田辺豊治
今日のハンガリーGP決勝は、アストンマーティン・レッドブル・レーシングのフェルスタッペン選手が2位、アルボン選手が5位という結果でした。ここまでの我々の戦闘力、さらに、厳しい状況だった昨日の予選を考慮すれば、このレース結果は喜ぶべきものだと思っています。
レース前に降り続いた雨のためにウエットコンディションで行われたレコノサンスラップでは、フェルスタッペン選手がクラッシュするという予想外の事態が起こりました。しかし、メカニックがグリッド上で素晴らしい修復作業を行い、レーススタートに間に合わせることができました。その後、素晴らしいスタートを見せたフェルスタッペン選手とチームの見事なレース戦略も奏功し、最後まで2位のポジションを守りきることができました。今季最高となるこの結果は、チーム全体を勇気づけるものになりました。PU(パワーユニット/エンジン)としても最大限のパワーを出しきってサポートできたと考えています。アルボン選手も13番手のスタートから徐々に順位を上げ、5位入賞と、いい走りを見せてくれました。
スクーデリア・アルファタウリについては、トラブルがありながらもガスリー選手が週末を通していいペースを見せていただけに、ギヤボックスのトラブルによりリタイアという結果に終わったことは残念に思っています。クビアト選手もピットインのタイミングで順位を落として入賞は叶いませんでしたが、レースを完走して得られた今日のデータを、今後の改善につなげます。
来週末は久しぶりにレースが開催されない週末です。次戦のイギリスGPまでの時間を使って、ここまでに発生した問題の解析と再発対応を行うとともに、さらなるパフォーマンスアップを図るべく、HRD-Sakuraおよびミルトンキーンズのメンバーとデータの解析を進めます。
この先も簡単なレースになるとは思いませんが、今日の表彰台を弾みとして、いい戦いを見せられればと思います。
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