ドラゴンスピードがDPi参戦を模索。今季限りで撤退のマツダとも交渉へ/IMSA
スポーツカーレースのLMP2カテゴリーとNTTインディカー・シリーズで活動しているドラゴンスピードは、2022年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPiクラスに参加する道を探している。しかしチーム代表のエルトン・ジュリアンによれば、チームはマシンの調達ができておらず難しい状況にあるという。
ロレックス・アット・デイトナ(デイトナ24時間レース)で2度のLMP2クラスウイナーとなっているドラゴンスピードは、2023年に北米シリーズでスタートするLMDhカテゴリーに参戦するための準備として来季のシリーズでDPiプログラムを行いたいと考えている。そのためのシャシーは入手可能であるにもかかわらず、完全なDPiのパッケージの確保には至っていない。
チームのボスであるジュリアンはSportscar365の取材に対し次のように語った。
「デイトナで2度優勝したが、今年はそれが達成できなかった。私たちはこれまで4回挑戦してきた。次は『DPiでなければ戻ってこない』と私自身が言ったんだ」
「私は“上に進みたい”と思っている。我々はすでにCOVIDによってスラッシュされているので、トップカテゴリーに戻ろうとしているんだ」
「最初は(ペンスキーとのプログラムを終了させた)アキュラがウェイン・テイラー・レーシング(WTR)とマイヤー・シャンク・レーシング(MSR)を新たなパートナーに選ぶ前に、入ろうとした。だが、明らかにチャンスはなかったね」
「その後、ウェイン(・テイラー)と私はドラゴンスピードとWRTの技術提携などから何かを起こそうと努力したが、それも不可能だった」
ドラゴンスピードはWEC世界耐久選手権の2018/19年“スーパーシーズン”にLMP1クラスに参戦。年を跨いで行われたこのシーズンでギブソン製エンジンを搭載したBRエンジニアリングBR1を走らせた。
「私たちは、LMP1マシンを走らせた後、ダラーラに戻ることに少し抵抗があった」とジュリアン。
「しかし私はあちこち電話をかけ、(ダラーラP217ベースの)キャデラックDPi-V.Rが1台余っているJDCミラー・モータースポーツに相談した。だが、ジョン(・チャーチ代表)が折り返してきて、(利用できる)エンジンがないと言ったんだ」
「そこでGMにも問い合わせたが『用意できるエンジンはない』と言われてしまった」
「いま、私たちはマツダが何をしようとしているのか、その断片をピックアップする方法を見つけようとしていて、シリーズはそれを助けようとしている」
「この物語の教訓は、どこにも行くところがないということだ」
■LMDhへの移行にはDPiの経由が不可欠
「私はそれがDPiクラス最後の年の契約であることは分かっている。しかし、物理的に(クルマを)用意することができていない。これは誰のせいでもないが、いまのこのクラスの状況を表していると思う」
インディカー・プログラムを行う以前に使用していたインディアナポリスのワークショップを残しているジュリアンは、先週末までに2022年の最終的な計画を決定したいと考えていたというが、その後は行き詰まっているという。
「どこにも行くところがないという現実は正直に言って驚きであり、少々がっかりしている」と述べたジュリアン。
「先程述べたように、我々はLMDhに参入しようとしている。私は次のシーズンにDPiプログラムを行うことで、来年がLMDhへの参入に向けた優れた移行の年になると見ているんだ」
「すでにLMP1とインディカーを走っているので、インディーカーのときと同じように、LMDhにアプローチするのが正しい方法だと思っている。LMP2からいきなり(新しい)トップクラスに行くのは正しいとは思わない。そこで戦うにはチームを進化させなくてはならず、LMP2チームにはないチームの強みが必要なんだ」
■IMSA代表がマツダとの話し合いの場を用意
「それは私たちにとって驚くべきことだった。グリッド上にもう1台のクルマがあったんだ」
「ジョン・ドゥーナン(IMSA代表)はできることをすべてやろうとしている。シリーズとして、彼らは私たちを保持したいと考え、それが起こっているようだ」
ジュリアンは、彼らがマツダRT24-Pでのカスタマーキャンペーンを行うことが、可能性がある唯一の希望であると述べ、マルチマチックとマツダは(DPiプログラムを終了した後の)来年のためにそれを利用可能にすべきであると続けた。
「我々の視点から見たとき、それは私たちのドライバーにとってはハードルの高い話だ」とジュリアンは認めた。
「また、私たちはアキュラやキャデラックを走らせる自信は少しあるが、マツダのプログラムについては充分に理解しないといけない。レースを戦えるラップタイムを実現するためにそれがどのようにかかるのか……」
「無限のリソースとキラー・スタッフがいる。彼らはすべてを投入している。それを我々が問題なくこなせると言ったら傲慢だろうが、問題ない」
「私たちは可能性があるかどうかを確認しようとしている。その答えがどちらかは分からない。私はマツダと話をするとは思ってもみなかったが、(元マツダ・モータースポーツ代表の)ジョンはおそらく話す理由があると考えている」
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