ニッサンZ NISMO GT4が北米から突如“完全撤退”。当初2025年プログラムとして正式発表も、開幕直前に急転
2025年3月27日(木)9時41分 AUTOSPORT web

ニッサンは2シーズンにわたってレース活動を行った後、Z NISMO GT4をSROアメリカから撤退させる判断を下した。これにより、同車両は事実上北米のレース活動から即時撤退することとなった。
■チームは「ニッサン組織のGT4プログラムにおける最近の変更」を理由に挙げる
3月26日にSportscar365に提供された声明で確認されたとおり、この日本のメーカーは米国市場での同車両によるカスタマー・レース活動を開幕直前で急遽中止したが、具体的な理由は明らかにされていない。
「2025年のレースシーズンが始まるにあたり、ニッサン/ニスモは米国SROレースシリーズには参加しないが、日本のスーパー耐久シリーズでGT4車両の開発を継続する」とその声明には記されている。
「過去1年間のフライング・リザードの献身と素晴らしいリザルトに、心から感謝している。それは当社のモータースポーツにおける成功に大きく貢献した。彼らの努力と献身は当社の取り組みにとってかけがえのないものであり、我々は彼らのパートナーシップに感謝している」
2月4日に日産自動車と日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)が発表したカスタマーレーシングプログラムに含まれていたフライング・リザード・モータースポーツは、当初2025年のSROアメリカにZ NISMO GT4のカスタマーとして唯一残ることになっていた。
しかし上記声明の提供に先立つ3月26日早朝、フライング・リザードは次の声明を発表している。
「ニッサン組織のGT4プログラムにおける最近の変更により、チームはピレリGT4アメリカおよびGTアメリカ・パワード・バイ・AWSシリーズで5号車ニッサンGT4を運用しないことを決定した」
「チームはニッサン/ニスモとの継続的な関係に感謝しており、2024年シーズンを通じて達成した実績とリザルトを誇りに思っている」
フライング・リザード、ブラックドッグ・レーシング、テックスポーツはいずれも、テックスポーツが先頭に立って2023年に初期開発プログラムを開始した後、2024年のGT4アメリカにこの車両で参戦し、さまざまなレベルでの成功を収めた。
今年、テックスポーツは他のシリーズに焦点を移し、ブラックドッグはマクラーレン・アルトゥーラGT4へとマシンを切り替えた。フライング・リザードは現在、BMW M4 GT3 EVOでのGTワールドチャレンジ・アメリカへの継続参戦と、新たにマクラーレン・トロフィー・アメリカのプログラムに進出するなかで、GT4マーケットについて評価・検討しているという。
GT4アメリカは3月28〜30日にソノマ・レースウェイで開幕を迎える予定であり、本稿執筆時点のエントリーリストにはドライバー名未定のまま、フライング・リザードのZ NISMO GT4でのエントリーは残されたままとなっている。
これにより、Z NISMO GT4は今年、日本のスーパー耐久シリーズにのみ出場することになる。北米での主なGT4レースであるIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジへの参戦は、昨年10月に日産自動車のモータースポーツプログラムディレクター、マイク・カルカモによって否定されていた。