【角田裕毅F1第16戦分析】前回の大型アップデート以上に好感触。一方FP2でのグリップ不足は改善されず初日16番手
F1第15戦イタリアGP後に、ヨーロッパのメディアで「角田裕毅(アルファタウリ)は2024年にレッドブルのリザーブになるのではないか?」という報道が流れた。そのニュースはSNSで瞬く間に広がり、日本でも話題となった。
そこで、第16戦シンガポールGPのパドックで、角田に「レッドブルのリザーブドライバーになるというのは選択肢にあるのか?」と直撃した。まだシートが決まっていないドライバーというのは、こういう話題には敏感で、時には不機嫌な態度をとられることもあるが、角田はリラックスした表情でこう答えた。
「(レッドブルのリザーブドライバーになるという選択肢は)ないです。レースがしたいですから」
では、ヨーロッパから流されているさまざまなニュースや、それがSNSで誇張して流されていることについてはどう思っているのだろうか?
角田はこう語って、噂話を一笑に伏した。
「まあ、SNSというのはそういうものなんじゃないですか。根拠もなく適当に流すのはよくないから、流すときは『適当に流しました』と書けばいいんですけどね(笑)」
昨年までの角田だったら、そういう噂話にも敏感に反応していたが、今年は落ち着いているように感じる。その理由をこう語った。
「マネージャーもいますし、誰よりもわかっているので。だから、心配はしていないです」
そんなことより、シンガポールGPで角田が最も気にしていたのは、投入された大型のアップデートだった。
「手応えは、前回大きなアップデートを入れたシルバーストンのときよりもあります。空力的に大きな進歩をしたと思います。シミュレーションで試してみても、シルバーストンのときよりもラップタイムのゲインが大きかったので、楽しみです」
そう角田は言った後、こう続けた。
「金曜日のフリー走行1回目で新しいパーツのデータをしっかりとって、チームにできるだけ多くのフィードバックをしたい。その結果、クルマの調子がよければ、予選ではQ3に進出して7番手か8番手につけて、レースではこれまで獲りきれなかったポイントを獲りたい」
シンガポールGP初日フリー走行1回目、角田は9番手でグランプリをスタートさせた。2回目のフリー走行ではソフトタイヤでのアタックで、原因不明のグリップ不足により、ピットイン。フロントウイングのフラップを調整して、同じタイヤで再びアタックするものの、グリップ不足が改善されずに16番手に終わった。
それでも、角田は「アップデートは期待していたよりもよかった。ポジティブにとらえたい」と手応えを掴んでいた。
「予選の目標は、もちろんQ3進出」
そのためには、フリー走行2回目のソフトタイヤのグリップ不足の原因を早急に突き止めなければならない。
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