F1 Topic:離婚直後から、他人となったマクラーレンとホンダ。あくまで『お互いプロとして協力』
皮肉なことにというべきか、提携解消が正式に発表されたシンガポールGP以降、マクラーレン・ホンダが好調である。予選では2戦続けて2台揃ってトップ10内の速さを見せ、レースではストフェル・バンドーンが続けて7位入賞を果たした。
しかし一方で、正式発表のあったシンガポールの初日以降、マクラーレンとホンダの技術交流はほぼ断絶状態にある。もちろんその週末をどう戦うかというミーティングは、これまで通り両者が揃って行なわれている。
しかしたとえば来季につながりそうな新たな空力アップデートの詳しい内容は、ホンダにはいっさい秘密だ。セッティングに関するエンジニアミーティングも、ホンダのスタッフを締め出してから行なっている。モニター上のアクセスもできない。
それはホンダ側も同様で、来季の開発に繋がる情報はマクラーレンには開示しない。しかしそれは「F1の世界では当たり前に行われていることです」と、長谷川祐介ホンダF1総責任者は言う。
「来年の車体のインスタレーションとか、われわれにアクセスはありません。反対に来季用パワーユニットに関するものだったら、向こうも見られない。それはお互いにということですね」
あくまで、「お互いがプロとして、約束事の中でやっていること」だと、長谷川総責任者は強調する。必要な部分は隠し合っているが、それは仲たがいではないし、最終戦まで協力し合って最高の結果を出すという目標は共有している。実際ここ2戦のマクラーレン・ホンダの雰囲気は、結果が出ていることもあるだろうが、実にいい感じである。
F1の世界では、有能なエンジニアやメカニックはいくつものチームを渡り歩く。チームとエンジンメーカーの離合集散も当たり前だ。マクラーレンとホンダにしても、将来また組む可能性はゼロではないのである。
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