増えすぎたインドネシア代表の帰化人にサポーター反発「若手の機会を奪っている」
一部のインドネシア代表サポーターが9月末、首都ジャカルタ市内の歩道橋にインドネシアサッカー協会(PSSI)の帰化戦略に反対する内容の横断幕を掲出した。インドネシア代表は最近、旧宗主国であるオランダ出身の選手が急増し代表チームが急速に力をつけているが、地元選手の出場機会を奪っているとして反対する声も多い。
横断幕には「帰化人は現地人ではない。我々はこの地で生まれ育った子供たちだ」と書かれていた。その画像はSNSで瞬く間に拡散され、インドネシア国内で大きな反響を呼んでいる。地元メディア『MakanBola』は、このサポーター集団の声明について「帰化戦略の不支持とインドネシアサッカーのコミュニティ化を望む姿勢の表れ」と報じた。
ジャカルタ州知事候補者のラノ・カルノ氏は、通信社『Antara』に対し「トップスポーツの世界では帰化が必要だが、手続きには相応のプロセスがあるべき。何でもかんでもすぐ承認すればいいというものではない」と、この問題への持論を展開。PSSIの帰化戦略を批判する意見は以前からあり、国家のアイデンティティを曖昧にしているだけでなく、地元出身の若手選手の成長機会を奪っているとの声が専門家からあがっている。
しかし、インドネシア代表を率いる韓国人のシン・テヨン監督は異なる見解を持ち、PSSIの後押しで帰化戦略を推進。つい先日もオランダ1部トゥウェンテ所属のDFミーズ・ヒルハース(23歳)と同1部PECズヴォレ所属のFWエリアノ・ラインデルス(23歳)がインドネシアに帰化したばかり。これでGKからFWまでスタメン11人を全員オランダ出身選手で固めることも可能となった。
PSSIの帰化戦略が結果を残しているのは明らかで、オランダ系選手で補強して臨んだU-23アジアカップ2024(兼パリ五輪予選)ではベスト4進出。年始のアジアカップではベスト16まで駒を進め、FIFAワールドカップ・アジア予選では最終予選まで勝ち上がっている。最終予選では2試合を終えて、格上のサウジアラビア(1-1)やオーストラリア(0-0)と引き分けるなど確かな実力を示した。これまでの結果から「勝てば官軍」という見方があるのも事実。一方でコアなファンの間では不満もくすぶっており、協会は慎重な対応を迫られている。
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