ファイナルラップまで激戦だった表彰台争い。リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが終盤まで速さを保って初優勝【第5戦富士GT300決勝】
2020年のスーパーGTは新型コロナウイルス蔓延の影響を受け、例年とは異なるスケジュールで行われている。10月4日、静岡県の富士スピードウェイでは第5戦の決勝レースが行われ、スーパーGT GT300クラスはリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rの藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組がチームとして初優勝を飾った。
第1戦、第2戦が行われた富士スピードウェイに再び戻ってきたスーパーGT。今大会から観客の入場規制が緩和され、サポートレースも始まるなどかつての賑わいが徐々に戻ってきた。スタンドで、コース脇で見守るファンを目の前に果たしてどんなレースが展開されるのか。
GT300クラスではウエイトハンデ限界の100kgを積むマシンが3台に増えた。富士はウエイトエフェクトが低いと言われているが、その3台以外にもウエイトを積んでいるマシンがグリッドの上位に並ぶという驚きの予選結果となった。
ポールポジションは第2戦富士でもポールを獲得していたADVICS muta 86MC。フロントロウには第3戦鈴鹿のポールシッターTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(31号車)が並ぶ。2列目には100kgのウエイトを積むLEON PYRAMID AMG、SUBARU BRZ R&D SPORTが顔を揃えた。
ここから最終戦に向けてチャンピオンシップを争うには落とせない一戦の幕が開ける。
決勝レースは定刻の13時30分、コンディションは気温21℃、路面温度29℃、湿度76℃のなか、セーフティカー先導のもと、1周のフォーメーションラップを終えた後、レースがスタート。1コーナーを制したのはポールポジションのADVICS muta 86MC。第2戦富士では「トップを10周しか守れなかった」とスタートを担当する阪口良平は悔やみ、リベンジを誓って抜群のスタートを決めた。
しかし、GT300クラスのスタート直前、2コーナーでGT500クラスのアクシデントが発生。コース上にパーツが脱落したため、セーフティカーが導入された。2コーナーでイエローフラッグが振られていたこともあり、GT300クラスの順位に大きな変更はない。
レースは5周目にリスタート。リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが埼玉トヨペットGB GR Supra GTをコカコーラコーナーでオーバーテイク。続けてリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rは100kgを積んだLEON PYRAMID AMGをも捕らえて4番手にポジションをあげる。やはり、100kgのウエイトはブレーキング時に厳しいか。
8周目、K-tunes RC F GT3と7番手争いをしていたシンティアム・アップル・ロータスがポジションを落とし、グッドスマイル 初音ミク AMG、HOPPY Porscheにも抜かれ、10番手までポジションを落とす。9周目、公式練習から好調の様子を見せていたリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが1コーナーから2コーナーにかけてSUBARU BRZ R&D SPORTをオーバーテイク。3番手にポジションをあげた。
リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rはその速さのまま2番手のTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(31号車)も目前に捕らえる。レース11周目、GT500クラスの先頭集団がGT300クラスに追いつき、周回遅れにしていく。ここから混走のなかのバトルが激化するなか、トップ集団ではリアライズ 日産自動車大学校 GT-RがTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(31号車)を捕らえて2番手に。後方では埼玉トヨペットGB GR Supra GTがSUBARU BRZ R&D SPORTをパスして4番手にポジションをあげた。
14周目、GT500のトップ集団がGT300クラスのトップに追いつき、これで全車周回遅れに。さらに、ジリジリとトップとの差を詰めていたリアライズ 日産自動車大学校 GT-RはGT500との混走を利用し、コカコーラコーナーでADVICS muta 86MCを捕らえてトップに躍り出る。
18周目、4番手を走行していた75kgのウエイトを積む埼玉トヨペットGB GR Supra GTがウエイトをものともしない勢いで3番手に浮上。後方では、たかのこの湯 RC F GT3が左リヤバンパーを破損。他車と接触があったか。
GT300の周回数で20周を終えたところ、ARTA NSX GT3を筆頭にレースの3分の1である最低周回数でピットに入ってくるマシンが見られた。GT300クラスではタイヤ無交換や2輪交換を選択するマシンもあることが予想され、ここから順位に変動が起こるはずだ。
GT300クラスの周回数で29周目、トップを走行していたリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rがピットイン。四輪を交換してピットに入った組の中でトップを守ってコースへ復帰して行った。
まだピット作業を終えていないRUNUP RIVAUX GT-Rを除いた全車がピット作業を終えた35周目、第1戦でタイヤ無交換を選択し、見事成功させて埼玉トヨペットGB GR Supra GTが再びタイヤ無交換作戦を採りトップに立つ。2番手には前半トップを走行していたリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rがピットイン。3番手には左二輪交換でコースに復帰したLEON PYRAMID AMGがつけている。
以下、11番手スタートのARTA NSX GT3、ポールからスタートしたADVICS muta 86MC、TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(31号車)、JLOC ランボルギーニ GT3、PACIFIC NAC D’station Vantage GT3、マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号というトップ10の顔ぶれだ。
GT300の周回で38周目、トップを走行していたRUNUP RIVAUX GT-Rがピットに入り、これで全車がピット作業を終えた。残り周回周がレース全体の3分の1となった43周目、2番手のリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rは周りが1分39〜40秒台で走行を重ねるなか、1台だけ1分38秒台で走行を続け、1周1秒近くタイム削りながら、トップの埼玉トヨペットGB GR Supra GTを追走。一時6秒以上空いていた差はあっという間に1秒をきってきた。トップが入れ替わるのも時間の問題か。
47周目、埼玉トヨペットGB GR Supra GTのテールを捕らえたリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rは1コーナーでアウトから並びかける。埼玉トヨペットGB GR Supra GTも応戦しようと深いブレーキングで対抗したものの、やや止まりきれず。2コーナーでリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが前に浮上し、トップ交代。
リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rの速く安定したタイムは衰えることなく、51周を終える頃にはあっという間に2番手以下約9秒近く突き放し、チームの初優勝へ向かって盤石の体制を築いてみせた。
3番手につけていたウエイトを100kg積んだLEON PYRAMID AMGは57周目にタイヤ無交換の埼玉トヨペットGB GR Supra GTを捉えるも、なかなか抜くまでには至らない。2台はテール・トゥ・ノーズで周回を重ねていく。その後方からはARTA NSX GT3が近づき2位争いに名乗りをあげた。
レース60周目のヘアピンでARTA NSX GT3はLEON PYRAMID AMGのインに飛び込み一kにオーバーテイク。攻める手を止めないARTA NSX GT3は最終コーナーで2番手の埼玉トヨペットGB GR Supra GTをあっという間に捕らえると、ストレートで抜き去り、2番手にポジションアップ。その流れのなかでLEON PYRAMID AMGも埼玉トヨペットGB GR Supra GTを捉え3番手に。
レースは15時20分にチェッカーフラッグが振られ、リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が2番手に23秒787という大差をつけてチームとしてGT300クラス初制覇。
2位には後半、一気に追い上げをみせたARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹)、3位には100kgのウエイトを積みつつも力強い走りを見せたLEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)が表彰台を獲得した。
これでポイントランキングは3位に入賞したLEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥/菅波冬悟組が50ポイントでランキング首位に躍り出た。第4戦までトップを守っていたGAINER TANAX GT-R の平中克幸/安田裕信組は41ポイントで2位にランキングを落とした。3位には優勝したリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rの藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組が36ポイントとなっている。
2020年のスーパーGT第6戦は第3戦が行われた鈴鹿サーキットに戻り、10月24、25日に行われる。
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