リカルド、マクラーレンF1早期離脱は不運ではなかったと振り返る「僕たちはちょっとした窮地に陥っていた」
ダニエル・リカルドは、昨年マクラーレンが彼と1年早く決別することを選択した際に“厳しい現実”に直面したが、今になってみると解雇は“不運に見えたが幸運なこと”だったと述べている。
リカルドは2021年シーズン初めにマクラーレンに加入し、これで2年間ルノーで留まることになったF1の中団から抜けることができるだろうと確信していた。しかし若手のランド・ノリスと対戦したリカルドは、マクラーレンでの足場を固めるのに苦戦し、イタリアGPで予想外の目覚ましい勝利を飾った栄光の瞬間を除いて、実際には足がかりをつかむことができなかった。
マクラーレンのデザインを理解できなかったリカルドは、層の厚いF1の中団に埋もれ、チームと彼自身の期待からかけ離れてしまった。2022年の夏、マクラーレンは損失を食い止めることを選択し、リカルドを同シーズン末で解放することにした。それはリカルドとチームの3年契約が終了するちょうど1年前のことだった。
「こういう形で何かを終わらせたくないものだ」とリカルドは『Goodwood.com』のライターであるイアン・パークスに語った。
「明らかに結果は出ていなかった」
「僕はとても楽観的な人間で、チームとはうまくやっていたし、チームの誰かと仲違いすることもなかった。でもすべてはパフォーマンスありきで、ビジネス面ではうまくいっていなかったと言える」
「当時、解雇されるのは厳しい現実だった。シーズンが終わってクリスマスに家に帰った頃には『オーケー、多分自分の評判にとっていいことではないな』という感じだったけれど、その時にはもう気にしていなかった。それは不運に思えたけれど、幸運なことだったんだ」
「僕は少しの間離れる必要があった。自分自身を再発見し、スポーツへの愛を再発見するためだ。もっとよいやり方でできればよかったけれど、同時に今年契約が終わるという状況は、僕にとってプラスではなかったと思う」
「ある意味、あの決断を下してくれた彼らに感謝している。僕たちはちょっとした窮地に陥っていたからだ。そこから抜け出すことができていたかどうかわからない」
リカルドが以前所属したレッドブルF1は34歳になった彼を拾い上げ、リザーブ兼シミュレータードライバーとして再度契約した。最終的にリカルドは、シーズン半ばで放出されたニック・デ・フリースに代わってアルファタウリから現役に復帰することになった。興味深いことに、ミルトンキーンズのチームのシミュレーターでの最初の頃の走行から、2018年以降リカルドがよい方向へ変わっていないことが明らかになった。
「自分がテクニックや強みの一部を失ったと心から感じている」とリカルドは認めた。
「物事がうまくいかない時には、それを捨てなければいけないのだと感じた。そして他のことを試してみたがうまくいかず、僕の自信はなくなっていった。もしかしたらもう無理かもしれないと思っていた。本当にね! 途中で多くのものが失われた。そしてレッドブルのシミュレーターに戻ってみると、自分があまり自信のない人間であることに気づいた」
「ある意味では安心した。僕は自分が思っていたレベルで動けていなかったとわかったんだ。それで僕のパフォーマンスの一部も説明がついた」
「言い訳をするつもりはない。パフォーマンスはよくなかったからね。でも僕が100%の力を出せていなかったのは明らかだった」
「そのことを理解することもできたはずだ。僕はそうすることができなくて、行き止まりで少し迷ったような感じだった。でも僕は物事を再発見して、自分自身に戻ることができた」
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