「僕は７番ぐらいがいいと思う」レジェンドＯＢがヤクルト・山田哲人へ来季の打順降格を提言する理由とは

　２年連続リーグ制覇したヤクルトが今季は５位でシーズンを終了した。

　１０月４日に本拠地神宮で行われた阪神とのシーズン最終戦は初回にいきなり３失点スタートとなったものの、すぐさま初回裏に二死から山田哲人が１４号ソロを放ち反撃。１点を追う９回に代打で出た内山壮真の適時打で同点に追いつくと、最後も山田の犠飛で５−４とサヨナラ勝利を飾り、中日と入れ替わり最下位を脱出。１４３試合を戦い、５７勝８３敗（３分け）。借金「２６」で２０２３シーズンを終えた。

【動画】１０月４日のシーズン最終戦、初回二死から山田が１４号ソロを放った場面

　今季のチーム不振には令和の三冠王、村上宗隆のシーズン序盤の不振や故障者も多く、シーズン中には引き分けをはさみ、悪夢の１２連敗も経験するなど苦しい時期も長かった。

　一方、２年連続リーグ制覇したチームがここまで崩れるのも異例のこと。立て直しのためにも球界内からは様々な考察の声が出ている。

　ヤクルトＯＢで２０００本安打を達成、守備の名手としても知られた宮本慎也氏は９日に更新された野球系ＹｏｕＴｕｂｅチャンネル「野球いっかん」に出演。今季のヤクルトの戦いぶりをテーマに語っている。

　動画内では投手陣が抱える課題や主砲、村上について語りながら、目を向けたのは、トリプルスリー男、山田の状態にもあった。

　山田は今春のＷＢＣにも出場、侍ジャパンの一員として世界一奪回に貢献しながら、シーズン通してはコンディション不良で登録抹消の時期があったりなど、苦しい１年となった。

　今年も主砲村上の前を打つ３番の打順が多かったが、この点について宮本氏は「ここ（山田の打順）を来年どう考えるか」として、続けて「僕は７番ぐらいがいいと思う」と提言。

　山田の今季は１０５試合に出場し、打率・２３１、１４本塁打、４０打点。昨年も１３０試合に出場し、打率・２４３と２年連続打率は２割５分を切っている。

　２０代の内にトリプルスリーを３度達成（２０１５、１６、１８）と早熟な才能で一躍、球界を代表する選手となった山田も近年は不振に苦しんでいる。またクリーンアップを任されていることでより不振がクローズアップされる側面もあるが、宮本氏はこの点に関しても「３番というと村上の前なので」と主砲を孤立させないためにも、打撃が安定した選手を置くのがベターと見る。

　一方、７番という打順に関しては「期待度からいうと、打たなくても（チームに）ダメージがないじゃないですか」と打順降格することでチームも好循環を果たし、相手チームにも山田が逆に下位打線にいることでプレッシャーを与えられるとした。

　ヤクルトでかつて一軍ヘッドコーチを務めた宮本氏にとっても山田はルーキーイヤーから成長を見守ってきた選手であり、同チャンネル内で過去にも助言を送ってきた経緯はある。

　その上で山田の今後に関しては「ちょっと（打撃に）変化が見られないので。来年もきついんじゃないかと思う」と困難な道のりを予想する場面もあった。

　打撃に関して「非常に形が良くない」と表現した宮本氏は「相当、オフ頑張らないといけない」と気合を入れることも忘れなかった。

　山田は今季プロ１３年目、３１歳シーズンとなる。これからが打撃に関しても円熟味を増すことが期待されるとあって、屈辱を糧とできるか。今オフの取り組みも注目を集めそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]