中日・木下拓哉が国内FA権行使を明言 チームの捕手事情、FA市場の状況は?
今オフのFAは捕手が豊富。木下の将来は他の選手たちの動向にも左右されるか(C)産経新聞社
中日・木下拓哉が11月11日、国内FA権の行使を明言した。同日付の『中日スポーツ』で先んじて報道され、それを受けての取材対応にて本人が改めて語った。中日の選手がFA宣言をするのは2021年オフの又吉克樹(現ソフトバンク)以来で、球団側は宣言残留を認める方針だという。
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まずは木下のこれまでのキャリアと、現状の中日捕手陣の現状を整理したい。
木下は2015年ドラフト3位で中日に入団。高知高時代に甲子園出場、法政大では主戦捕手としてベストナイン受賞、トヨタ自動車では日本選手権優勝と輝かしい実績を持つ、いわゆる「エリート捕手」だ。今年の12月で33歳になる。
攻守のバランスの良さが特徴で、特に強肩強打ぶりは12球団でも有数。プロ5年目の2020年夏からレギュラーになると、翌21年には初の2ケタ本塁打、22年は規定打席に到達した。
守備でも2020〜21年に盗塁阻止率4割以上を記録。2年続けて最優秀バッテリー賞にも輝いている(20年は大野雄大、21年は柳裕也と)。
ただ、23年以降は故障等で精彩を欠くシーズンが続いており、今季は74試合出場に終わった。特に深刻なのが盗塁阻止で、5月末まで19回連続で失敗。かつてのクオリティを出せずにいる。
そんな中、球団は今秋のドラフト4位で石伊雄太(日本生命)を指名。強肩が持ち味の社会人ナンバーワン捕手と、木下の指名時と似た評判だ。
現状の中日捕手陣は木下以外に守備型の加藤匠馬(32歳)、打撃に優れた宇佐見慎吾(31歳)が日替わりでマスクを被る状況。ただ、加藤は打力が弱く、宇佐見はブロッキングに難があるため、決め手に欠ける状況だ。そして、次代の正捕手候補・石橋康太(23歳)はなかなか殻を破れずにいる。来季いきなり石伊が開幕スタメンを張っていてもおかしくない。
この状況を前提とした上で、木下はFA権行使を決断したのだろう。
ちなみに、今オフのFA市場は捕手の動きが注目されている。
「甲斐キャノン」でおなじみ・甲斐拓也(ソフトバンク)、強打で鳴らす大城卓三(巨人)を筆頭に、梅野隆太郎&坂本誠志郎の阪神勢も権利行使の可能性が考えられる。木下は推定6800万円のBランクとされ、獲得球団は人的補償のリスクを背負う。上記4選手が権利行使をした場合、木下はどのような立ち位置になるのか。それは今後の動き、交渉次第になる。
[文:尾張はじめ]
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