メルセデスF1失格問題:FIA「違反は意図的ではなく何らかの問題が発生」と認めるも厳罰避けられず。チームも受け入れ
F1第19戦ブラジルGP土曜、ルイス・ハミルトン車に技術規則違反があるとして、金曜予選結果から除外するという裁定をスチュワードが下したことに対し、メルセデスF1チームは控訴せず、このペナルティを受け入れることを発表した。予選で最速タイムを記録したハミルトンだが、スプリント予選を最後尾グリッドからスタートすることになった。
予選後の検査で、ハミルトンのリヤウイングは、DRSを開いた状態で開口部のサイズが、規則で制限された85mmを超えており、検査をパスすることができなかった。
スチュワードは、金曜夜と土曜朝にヒアリングを行い、メルセデスから事情を聞いた後、予選失格という結果とその理由について発表した。
声明によると、DRSを展開している際にはウイングエレメントの隙間は10mmから85mmの間であることが規則で決められているが、予選後のハミルトン車の検査で最大値を図るために、10ニュートンの荷重をかけて85mmのゲージを差し込んだところ、ウイングの内側部分ではゲージは通過しなかったが、外側の位置では通過したという。そのため、ハミルトン車は検査をパスすることができなかった。検査は2種類のゲージを使用し、4回行われたという。
メルセデスは、ウイングは規則に従うよう設計されており、DRSアクチュエイターもしくはピボット、その組み合わせ、あるいは他のメカニズム上の障害、パーツの不適切な組み立てなどが原因である可能性を主張。FIAは、メルセデスの同じデザインのウイングがこれまで検査でパスしてきており、設計自体はレギュレーションに従ったものであり、「何らかの行為や設計により最大寸法を超える意図はなかった」ことを認めている。
何か間違ったことが起きたことでテストに不合格になったと認めるFIAだが、国際競技規則において、「パフォーマンス上のアドバンテージを獲得していないという主張は弁護にはならない」と記されているとして、技術規則に反した場合の通常のペナルティとして、ハミルトンを予選結果から除外することを命じた。
スチュワードは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が予選後にハミルトン車に触ったことについても、さまざまなアングルから撮影された映像をチェックして検証を行い、フェルスタッペンへの事情聞き取りも行った。メルセデスは、フェルスタッペンの行為がウイングの不具合をもたらしたとは考えにくいと同意する一方で、その可能性を100パーセント除外すべきではないと考えていたということだ。スチュワードは調査の結果、フェルスタッペンの行動はこの件には何の関係もないという判断を下した。
ハミルトンは、日曜決勝ではパワーユニット交換によりグリッド降格ペナルティを受けることが決まっているうえに、金曜予選で失格となり、タイトル争いにおいて大きなダメージを被った。しかしスプリント予選で最後尾からスタートしながら、5番手でフィニッシュしたことで、まだ多くのポイントをつかむチャンスは残されている。
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