レッドブルF1代表の侮辱発言は「受け入れられない」とレースディレクター。黄旗を出したマーシャルの判断を擁護
FIAのレースディレクターを務めるマイケル・マシは、F1第20戦カタールGPでレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーがマーシャルの仕事を批判した際の受け入れがたい言動に対し、公式の警告が発せられたことを擁護した。
カタールGPの土曜日に行われた予選でダブルイエローフラッグを無視したとして、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がペナルティを科されたことをホーナーは公に批判し、その後スチュワードに呼び出された。イエローフラッグは、アルファタウリのピエール・ガスリーがコース脇に停止していたことを後続ドライバーに知らせるものだった。
ホーナーは“ならず者のマーシャル”がフラッグを出していただけだと非難し、FIAは「マーシャルをもっと制御する」必要があると語ったうえで、“熟練の者による熟練した判断”が下されるべきだと述べた。
またホーナーに続いて、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコも『DAZN』に対し「ばかげている。FIAは適切なマーシャルシステムを組織できていない。彼らは能力がないことをドライバーのせいにしている。信じられないことだ」と辛辣な発言をした。
その後チーム代表の立場にあるホーナーだけが、発言に対して責任を問われた。ホーナーは自身の発言を謝罪し、“競技のプレッシャーの下で”発した言葉だったと主張したが、FIAから公式に戒告処分を受けた。
マシは、マーシャルが予選でイエローフラッグを出したことを擁護し、ホーナーの発言は不適切だったと主張した。
「誰のことも攻撃すべきではないと私は考えている」とマシは語った。
「特に世界中に何千人ものボランティアのマーシャルがいることを考えれば、世界中で膨大な時間が提供されていることになる。誰もが彼らに敬意を持たなければ、また彼らがいなければ、このスポーツを行うことはできない」
「彼ら全員が膨大な時間を犠牲にしている。彼らなしではレースができないだろう。この部分を多くの人々が見逃している」
「私はボランティアのオフィシャル全員を擁護する。世界中のすべてのレーストラックのオフィシャル全員をだ。あのような批判は受け入れられない」
またマシは、イエローフラッグやダブルイエローフラッグを出す最終判断はレースコントロールではなく、トラックサイドのマーシャルに任せられていることを明確にした。
「トラックサイドから出されるイエローフラッグは、どこの会場でもすべてそうであるように、オフィシャルの裁量に委ねられている。オフィシャルがシングルを出すのか、ダブルを出すのかを考え、彼らに判断が任せられている。そして彼らは目の前の状況から判断を下す」
マシは、ガスリーのマシンが立ち往生したセクターにおいて、マーシャルが行った手順やイエローフラッグ発動を含むタイミングのいずれにも問題はなかったと考えている。
「現地で行われたことは、彼らが目の前にある状況に反応してのことだ」とマシは主張した。「そしてそれは明白かつ単純なことだ」
「あの場所での状況と起きたこと、そしてピエールのマシンに関するすべてのことを鑑みれば、彼らは目の前で起きたことについて本能に基づいて行動した」
「彼らはコース上で全員を安全な状態にすることを最優先に行動したのだ。そして本能に基づいて行動したことによって、誰も批判されるべきではないと私は考えている」
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