レッドブルF1、ニューウェイ離脱に備え、上級職員の移籍を阻止か。テクニカルディレクター&空力責任者と新契約との噂

2024年4月30日(火)17時30分 AUTOSPORT web

 レッドブル・レーシングは、チーフテクニカルオフィサー、エイドリアン・ニューウェイの離脱に備え、彼の退任後も技術部門の安定を確保するため、テクニカルディレクターのピエール・ワシェと空力部門責任者エンリコ・バルボに対し、条件の良い新たな契約をオファー、契約延長に成功したといわれる。


 今年初め、ホーナーが女性従業員に対して不適切な行為をしたとの告発がなされたことに端を発し、レッドブル内の権力闘争が激しさを増している。そういった状況に嫌気がさしたニューウェイは、契約期間を短縮してチームを離れることを決めたと伝えられている。F1史上最も大きな成功を収めたエンジニアであるニューウェイ退任の報道はF1界に激震を与え、移籍先やレッドブルが被る影響などについて、さまざまな推測が持ち上がっている。そんななか、レッドブルは公式には「エイドリアンはチームと2025年末までの契約を結んでいる。彼の他チーム加入については承知していない」とコメントするにとどまっている。


 しかし実際には、チーム内のほとんどの主要メンバーがこの件を知らされているようで、中にはニューウェイから直接聞いた者もいる。率直な性格のニューウェイは、ワシェ、バルボ、チーフエンジニアのポール・モナハンには、自分の決断を直接伝えたいと考えた。

2023年F1カタールGP レッドブルのエイドリアン・ニューウェイ(チーフテクニカルオフィサー)とピエール・ワシェ(テクニカルディレクター)


 ニューウェイの動きは、ワシェの去就に大きく影響する。ワシェはフェラーリと交渉し、2026年初めから加入することで合意し、ただし契約はまだ結んでいない段階だったといわれる。ニューウェイの下の立場だったワシェにとって、フェラーリ移籍は魅力的だったはずだが、ニューウェイがいなくなれば、自分がレッドブルの技術部門のトップになる。さらに、ニューウェイがフェラーリに移籍するなら、自分はフェラーリでもニューウェイの部下として働くことになる。そうであれば、レッドブル残留の方が得策だろう。


 レッドブルはワシェに新たな長期契約を提示、彼はそれを受け入れて、フェラーリ代表フレデリック・バスールに連絡し、レッドブルとの契約が終了したらフェラーリに移籍するという合意を取り消したと伝えられている。


 スクーデリアが目をつけていたレッドブル内のもうひとりの人物は、空力部門責任者のバルボだ。バルボはウイリアムズとメルセデスでのキャリアを経て、ミルトン・キーンズに移り、約10年たつ。バルボもマラネロ移籍の条件に合意間近だったが、ニューウェイが離脱すれば、バルボもより大きな自由度を持ってグループの指揮をとることができる。チーム関係者によると、バルボはそれを考慮してレッドブルと新契約を結ぶことに同意したという。

2023年F1バーレーンテスト レッドブルのエンリコ・バルボ(空力部門責任者)とピエール・ワシェ(テクニカルディレクター)


 レッドブルがニューウェイの決断に素早く反応したことから分かるのは、ホーナーは、チーム史上最大の資産であるニューウェイを失う覚悟をすでにしており、その準備を整えていたということだ。今年浮上した彼の個人的なスキャンダルは、まだ完全に解決してはおらず、それがチームに大きな影響をおよぼしているが、ホーナーには代表のポジションから降りる考えは一切ない。ニューウェイの退任を受け入れ、マックス・フェルスタッペンについても「望むなら去ってもいい」と示唆するなど、ホーナーの言動から見て、彼の最優先事項は、自分が原因となってチームから才能が流出することを防ごうとすることではなく、自身が権力を維持することにあるようだ。

2024年F1第5戦中国GP 優勝したマックス・フェルスタッペンと3位セルジオ・ペレス(レッドブル)


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