「寝相」で夢の種類や体調が変化! 淫夢、悪夢、アルツハイマー防止
とあるレポートによると、睡眠時の体勢によって見る夢や、さらには体調までコントロールできることが判明したという。左向きの体勢は胸焼けの症状を緩和する効果がある一方、悪夢を見る確率が高くなる傾向があるとか。なかにはアルツハイマーやパーキンソン病、痴呆症のリスクを高める恐ろしい寝相も……!
それぞれの寝相について、さまざまな専門家が言及しており、TOCANAでも過去に賛否両論をまとめた記事を掲載している。体調のバロメーターとしての寝相を振り返る習慣を身につけることで、病気の予防に役立てることができるかもしれない。
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※こちらの記事は2016年1月28日の記事を再掲しています。
唐突ですが、今朝起きた時どんな体勢でしたか? 胎児のように包まったり、仰向け、もしくは足の片方だけ曲げていたりしませんでした?
大半の方は無意識にやっていることでしょう。しかし待ってください! 最新のレポートによると、睡眠中にとる寝相によっては、アルツハイマー病からパーキンソン病、痴呆症になるリスクを高めるというのです。それぞれの寝相については肯定的な見方と危険のサインだとする見方、賛否その両方があるのだと「DailyMail」は伝えています。それらをいくつかのパターンに分けて紹介しましょう。今朝のあなたの寝相、思い出してくださいね。
横向き型ー左向き
・肯定意見ー胸焼け防止
こうした横向きの姿勢は、呼吸困難者の応急処置において行う「回復体位」にもあるように、気道確保がしやすい体位です。調査によると英国の20パーセントの人がなんらかの「胸焼け」を慢性的に感じており、左向きに寝ることによって症状が緩和されるとレポートは伝えています。
「胸焼けの症状は夜間に悪くなることが多いのです」、そう語るのはオンライン医療コンサルティング「babylonhealth.com」を運営するマシュー・ノーブル医師。「寝相との正確な因果関係はまだわかっていない部分もありますが、胸焼けは胃酸が食道に逆流することによって炎症を起こし、痛みを与えます。左向きに寝ることによってその逆流を抑えることができるのです」と、その効果を語っています。
・否定的意見ー悪夢
睡眠と催眠を扱う国際医療誌に発表された、トルコのYuzuncu Yil大学の研究チームによる論文によると、「左向きに寝る人の40.9パーセントの人が悪夢を見やすい」と伝えております。これは右向きに寝る人が14.6パーセントだというので、なんと倍以上。寝相が悪夢を引き起こすとは怖いですね。
仰向け型
・肯定意見ー背中の痛みと美容効果
ロンドンの整骨医、エイミー・ホープ氏は「背中に痛みを感じる人は、仰向けに寝て、寝る時に頭部と膝の下に十分な厚さの枕を入れると、背中を支える筋にかかる負担を軽減することができます。それによって少なくとも根本的な痛みの排除にならなくても、快適な睡眠をおくることができるでしょう」とのこと。
また、美容整形外科医のゴーゼル・アンソン博士は、仰向けが美容に効果的だと指摘しています。「仰向けに寝ることによって、6時間も顔が枕に押し付けられることがないので、シワやシミができにくくなるのです」。逆にうつ伏せに寝ると、顔から出た汗によって毛穴をつまらせてしまう可能性があるのだと博士はいいます。
・否定的意見ーいびき、無呼吸症候群
いくつかの研究によって、仰向けは横向きに寝るのと比べて、いびきや無呼吸症候群の発生が2倍になるということがわかりました。仰向けに寝ることによって舌の付け根が喉の奥に落ち込み安くなり、気道を狭くしてしまうのです。これによって大きないびきでパートナーを困らせたり、悪化すると10秒以上呼吸を停止する無呼吸症候群を引き起こす可能性があります。これらによってさらに、昼間の眠気から高血圧、糖尿病やうつ病といった深刻な健康問題に繋がるのだそうです。
また仰向けは、歯ぎしりを悪化させるというデータもあります。1時間の歯ぎしりの回数を計測したところ、横向きに寝た場合は13回であったのに対し、仰向けの時は19回と1.5倍。歯ぎしりに悩む人は寝方を変えたほうがよさそうですね。
胎児くるまり型
・肯定意見ー快眠、ストレス軽減
整骨医、エイミー・ホープ氏は夜の快適な睡眠にこの寝方を推奨しています。「極度に体を丸めたりしない限り、脊椎に十分な柔軟性が確保できるので、夜間寝返りを楽にうつことができます。また、呼吸も楽になりますよ」。寝相と性格分類の研究をしている、睡眠のエキスパートのクリス・イジコウスキー教授によると、「成人しても無意識のうちに子どもの頃感じた快適さを求めて胎児型の寝相をとるのです」とのことだ。
そして多くの場合、この寝方はストレスを和らげるのに非常に効果的であるといいます。「この寝相を好む人は驚くほど寝覚めがいいそうなんですよ」と、教授。
・否定的意見ー肩、首に痛みの有る方は要注意
胎児型に肯定的な意見を述べたエイミー・ホープ氏はその反面、「首や肩に痛みを持っている方は、それを悪化させる恐れがあるのでオススメできません」と注意を促しています。
「頭部と背中をつなぐ非常に重要な部分なので、そこに負荷をかけないようにしっかりとした硬さのある枕を入れてください。耳と首の隙間を埋められるほどの大きさは必要ですので肩幅の広い男性は大きめのものが必要となります。こうすることで、背骨が不自然に曲がることを防ぎ守ってくれるのです」と、肩こりをはじめとした諸症状のある方にアドバイスをしています。枕がない場合はバスタオルで応用してもよさそうですね。
横向き型ー右向き
・肯定意見ー高血圧、アルツハイマー防止
高血圧の方は右側に向いて寝る傾向があるのだそうです。そうすることで胸部の左側に少し余分な空間ができるため、血圧を下げ正常な脈拍値に戻すことができるのです。
また、ニューヨーク州ストーニーブルック大学の研究によれば、睡眠中は起きている時に比べ脳にたまった老廃物の排出が約10倍も促進することが明らかになっています。ネズミの脳細胞を調べたところ、睡眠時は60パーセントにまで収縮し脳脊髄液の流入によって老廃物を排出させていることがわかりました。この働きは睡眠のもつ大きな役割なのではないかと科学者らはみています。
認知症を引き起こす疾患として最も割合の高い「アルツハイマー病」の患者の脳には、アミロイドβやタウという異常なタンパク質がたまっていることが知られています。リス・ネズミなどの齧歯類の動物を用いて、MRIによるモニタリングを行ったところ、この寝方によって異常なタンパク質を25パーセントも多く排除させることがわかりました。横向き型に寝ることによって、アルツハイマー病を防ぐことができるのです。
・否定的意見ー高まる死産のリスク
ニュージーランドのオークランド大学の研究者によれば、妊娠している場合、とくに出産間近の妊婦がこの寝方をすると死産のリスクを高めるといいます。これは死産してしまった155人の母体と無事に出産できた310名の母体の睡眠行動を調べた結果明らかになりました。研究者は「妊娠している女性が身体の右側を下にして横向きに寝ることで、子宮や胎盤への血流が悪くなると考えらます」と述べています。
うつ伏せ型
・肯定意見ー自由落下と淫夢
睡眠のエキスパートのクリス・イジコウスキー教授は、両手をあげたうつ伏せ寝を「自由落下」の姿勢だといいます。これは重い食事を摂った後には消化を助ける有効な姿勢だと教授は指摘しています。また、香港樹仁大学の専門家は変わった見解を示しています。
他の寝相に比べうつ伏せで寝ると、淫夢を見る可能性が高くなるというのです。性的な固定観念から開放されることで、野獣と化すのだといいます。これは「自由落下」の見解と関係があるのでしょうか。
・否定的意見
英国カイロプラクティック協会のリシ・ローティ氏は、「うつ伏せで寝るのは、筋骨格の観点からすれば最悪の寝方だ」と語っています。うつ伏せ寝は全身の重みが肋骨と腹部にかかるため、胸と横隔膜を圧迫し呼吸が浅くなってしまいます。より多くの空気を吸おうと首を左右どちらかに捻るため、長時間続けると寝ちがえの原因になるのだといいます。また女性の方は特に気をつけたいですが、腰の反りがきつくなり、腰痛やポッコリお腹の原因にもなるそうです。
寝相は無意識にやっているぶん、自分でコントロールすることはなかなか難しい話ですが、さまざまな専門家の意見をみていくと体調のバロメーターなのだということが実によくわかります。自分がどんな寝相なのかチェックするだけで、知らずのうちに招いてしまう病気を事前に防ぐことができますね。
参考:「DailyMail」、ほか
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