初出場の”進学校”名古屋が快進撃 山田監督が明かした目標変更「国立に戻る」

2024年1月2日(火)20時59分 サッカーキング

ベスト8進出を喜ぶ名古屋の選手たち[写真]=野口岳彦

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 第102回全国高校サッカー選手権大会3回戦が2日に行われ、名古屋(愛知)は岡山学芸館(岡山)に1−1(PK戦:5−6)で勝利。試合後、準々決勝進出を決めた名古屋の山田武久監督がメディア取材に応じた。

 名古屋は選手権初出場にも関わらず、1回戦で日章学園(宮崎)をPK戦の末に撃破し、愛知県勢8大会ぶりの初戦突破を果たすと、2回戦でも北海(北海道)に強さを見せつけ、3−0で勝利。見事、3回戦に駒を進めた。

 大会前に「ベスト16(3回戦進出)が目標」と言っていた山田監督は、目標を達成したことで、“前回王者”岡山学芸館と試合する前に、選手たちと目標を再設定するミーティングを行ったという。

「私はかねてから1つ勝てればいいと言っていましたし、選手もベスト16(が目標)と言っていました。昨日のミーティングでも、選手に『目標はなんだ?』と聞いたら、それぞれバラバラで『優勝したい』とか『国立行きたい』とかあったので、1個にまとめようと。お題を出して、選手たちが『国立に戻る』と決めました。『じゃあ、あと2つ勝たないといけないな。大変だぞ、それは(笑)』と言いながら、今日のピッチに送り出しました」
 
 迎えた3回戦。試合の序盤はロングスローの応酬で互角となったが、名古屋は徐々に岡山学芸館のペースに飲み込まれ、苦しい展開を強いられる。山田監督も「プラン通りではなかったです。相手がかなり強かったので、前半は1失点でもしたら『これはまずいな…』と思っていました」と振り返った。

 ただ、それでも我慢強く前半を無失点で凌ぐと、後半は打って変わって名古屋のペースに。そして、57分にはキャプテンの田中響貴が先制点を奪い、リードを奪った。その後、岡山学芸館に地力の強さを見せられ、同点に追いつかれたが、PK戦への突入はある意味で“プラン通り”の展開。PKに関しては「選手権の前は特に照準を合わせて」トレーニングを行ってきた。

「(1回戦の)日章学園の試合も0−0でいいと言っていて、それが結果的に1−1になりました。(相手も)最後の最後は焦ってくるというところがあると思います。今日は先に得点がを取ってしまったので、それはありがたかったかなと思います」

 PK戦を制した名古屋は、初出場ながらベスト8進出が決定。新たに設定した目標『国立に戻る』まであと1勝に迫った。ここまで躍進を続けられる要因はどこにあるのか。山田監督は次のように回答した。

「選手の質やトレーニングをしているコーチ陣、トレーナー陣のクオリティがどんどん上がっているので、そういったところが勝利の要因ではないかなと思います」

 愛知県内有数の進学校として知られる名古屋。有望選手を獲得できる他の強豪校とは異なり、スポーツ推薦はほとんど取らない方針だ。そのため、選手個々の能力では劣る部分もあるが、緻密な戦略を立てることで、不足を補ってきた。山田監督も学校の特色をこう説明する。

「うちは(特に)勉強が必要な学校で、リクルーティングという面でいうと、誰もが来れる学校ではないので、出来るだけうちでやりたいという生徒を中心に頑張ってやっているところではあります。スポーツ推薦はほんの少しだけありますが、(学校の)成績が必要なので、一般的に言うとほぼないと同じくらいという認識です」

 快進撃を続ける名古屋が目指すは、準決勝の舞台『国立競技場』。ただ、立ちはだかるのは、エースのFW郡司璃来を筆頭に、強力な個人能力をもった選手たちが揃う市立船橋(千葉)だ。

 山田監督は、次の試合に向けて「(今日の市立船橋の)応援、チアを含めて見ていると、(会場が)完全アウェイになってしまうと思うので」と苦笑いを浮かべ、「少しでも多くの愛知県民に集まってもらって、ちょっとでもホームの雰囲気をつくってもらえたら、ありがたいなと思っています」と、愛知県民に共闘を呼び掛けていた。

 なお、名古屋と市立船橋の試合は、柏の葉公園総合競技場にて、4日の12時5分より行われる予定となっている。

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