2021年最も話題の1台。ニッサン・ノート/ノート オーラは積極的に4WD車を選びたい【市販車購入ガイド】

2022年1月8日(土)9時35分 AUTOSPORT web

 初代ノートは2005年1月に登場。“これまでのコンパクトカーにはない爽快な走りと使いやすさ”をコンセプトに開発され、15年間で累計約146万台もの販売を記録して大ヒット。2012年には二代目が登場、2016年にはニッサンの電動パワートレイン『e-POWER』搭載モデルを追加し、人気も実力も販売台数も国産コンパクトカー市場を牽引するモデルとして成長を遂げています。


 2020年11月に三代目へとバトンがわたり、2021年にはベースモデルのノートに加えて、個性派モデルのノートAUTECH CROSSOVER、上級仕様のノート オーラ、スポーティにベクトルを振ったノートオーラNISMOと、怒涛の勢いでバリエーションを拡大して、話題となりました。今回は、そんな新型ノートシリーズの魅力を掘り下げるとともに、グレード選びで押さえたいポイントをお届けします。

2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したニッサン・ノートシリーズ。ノート、ノート オーラ、ノート オーラ NISMO、ノート AUTECH CROSSOVERの4車種が対象となった。
ノート オーラのスタイリングは基本的にはノートと同じ。違うところは、ヘッドライト&フロントグリル形状とフェンダーまわりをわずかにワイド仕様に変更していること。ノート オーラでは、ノートでオプション設定のLEDライトやアルミホイールが標準装着になる。
ニッサン・ノート オーラNISMO
ニッサン・ノート AUTECH CROSSOVER

 
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 三代目となるニッサン新型ノートは、広々とした室内空間や機能や装備が充実しているなど、“人気者”に相応しい多くの武器を持っているが、その中でも最も秀でているのは、同クラスのライバルたち以上に、“軽快な”走りが楽しめることだ。


 新型ノートの走りの原動力になっているのが、ニッサン独自のハイブリッドシステム『e-POWER』の存在だ。ひと昔前のコンパクトカーは、室内の居住性や車両価格の安さを重視する傾向が強く、動力性能については“ほどほどでOK”というモデルが多かった。


 しかし、最近はコンパクトカークラスでも経済性や実用性に加えて、余裕のある快適な走りを求めるニーズが高まっている。市街地はもちろん、高速域や峠道、はたまた雪道でもパワフルに走れることが求められているのだ。


 新型ノートは、モーター駆動のe-POWERを搭載することで、“動力性能”を求めるニーズに応えている。モーターゆえに低速域でも素早く豊かなトルク力を発生するため、走り出しの加速感も十分すぎるほど安定していて、パワフルだ。

エンジンが生み出す電気でモーターを駆動させるe-POWER。駆動モーターの出力は85kW/280Nmと十分すぎる性能を発揮する。特に最大トルクは2.5リッター級ガソリン車に匹敵するスペックだ。


 アクセルの踏み込みに対しても俊敏に反応し、全域でキレのある動力特性を楽しむことができる。モーター回転数が高くなる高速走行時は、ハイブリッド車の魅力のひとつになる燃費性能が低下傾向なってしまう弱みもあるが、走りを重視する向きからは高い評価を集めている。


 なお、新型ノートに搭載されるe-POWERは、先代と同様に1.2リッターエンジンをベースとしているが、駆動モーターやインバーター類を改良することで出力性能を強化した最新仕様になる。


 駆動モーターの最高出力は、先代の80kW/254Nmから、85kW/280Nmにアップすることで、高速走行などの高負荷時での余裕感が高まったほか、アクセル踏み込みの反応性もよりリニアに応えてくれる。新旧で乗り比べると違いがすぐに分かるほどで、ひと世代までとはいえないものの、“半”世代は確実に進化した印象を受ける。


 さらに、新型ノートの走りの魅力を高める武器として、ボディ&シャシー性能の強化も見逃せない。新型ノートは、ルノー・日産で共同開発した最新設計のプラットフォーム(CMF-B)に刷新されている。


 その恩恵は、走行時の挙動全般に及ぶが、特に高速走行時の安定性が際立って良くなっている。ボディ強化による静粛性の向上もあって、走行時の室内空間は、上級モデル顔負けの落ち着きすら感じるほどだ。

近年の国産コンパクトカーのインテリアの作り込みは、全体的に上がっているが、その中でもノートはトップクラスの質感の高さ。
ニッサン・ノート
ディーラーオプションのナビシステムも装着可能だが、見た目が一番スマートに納まるのは、メーカーオプションで用意される9型ワイドモニターのニッサンコネクト対応ナビ。価格はそれなりだが、機能面から見てもこのナビを選ぶことをオススメする。


 新型ノートの上級仕様として登場した『ノート オーラ(以下オーラ)』にも注目したい。ベースモデルのノートよりも仕立ての良さや室内空間の広さに目を奪われがちだが、魅力はそれだけじゃない。駆動モーターの最高出力が100kW/300Nmにパワーアップし、サスチューンやボディ静粛性もオーラ専用設定にされるなど、走りに関する部分も上級モデルらしく差別化されている。


 ガソリン車をラインナップから切り捨てたことや、装備機能の目玉になるプロパイロットがセットオプションでしか選べないこと、さらに実質的なスタート価格が上がってしまったことは、先代のユーザーにとっては不満かもしれないが、走りや内装&装備が大きく向上した新型ノート、そしてオーラは、プレミアムコンパクトを求めるユーザーにとっては、理想のパートナーといえるだろう。

ノートの走りも相当レベルが高いが、ノート オーラはその上をいく。静粛性を強化したボディパッケージと煮詰められたサスチューンは、走りを主張する輸入車コンパクトカーとも互角に戦える実力だ。


■ノートもオーラも狙いは4WD車


■グレード別購入ガイド


■ニッサン・ノート/車両価格帯:202万9500円〜244万5300円

■ニッサン・ノート オーラ/車両価格帯:261万300円〜295万7900円


 ノートは『F』、『S』、『X』の3グレード、オーラは『G』と『Gレザーエディション』の2グレード構成。ノート『F』を除いたグレードには、リヤモーターを搭載する4WD車も用意されている。

ニッサン・ノートはFFと4WDを揃える。
ニッサン・ノート(4WD)


 ノート、オーラの両モデルともプロパイロットと純正ナビゲーションはメーカーオプション設定となる。ノートの場合は、LEDヘッドライトやアルミホイールもオプションになっている。


 ノートとオーラの車両価格設定は、ライバルモデルと同レベルではない。セットオプションが多いため、結果的には思った以上に支払い額が上がってしまう。オプション装備分の費用を考えると、コンパクトカーとしては割高感が否めない。


 そんな、ノートとオーラ選びにおいて、注意したいポイントは3つだ。ひとつ目は、プロパイロットを装着するかどうか?という点だ。メーカーオプションとしてノートに用意されるプロパイロットは、スカイラインに搭載しているハンズオフ走行対応のプロパイロット2.0には及ばないが、カメラ+ミリ波レーダーで前方検知し、追従走行時はナビ連動機能に対応する最新仕様。

ノートに採用されるプロパイロットは、ニッサンコネクトナビの地図情報と連動してカーブやジャンクションをスムーズに曲がれるように速度制御も行う。セットオプションなのは残念だが、できれば装着したい。


 ニッサン車としてはトップレベルの内容で、特に高速道路走行時ではありがたい実践的な機能だけに、ロングドライブが多い向きならば、ぜひ装着することをオススメしたい。


 ただ、装着可能なグレードは上級仕様に限定(ノートはX系、オーラは全グレードにオプション)されている。その上、他機能とのセットオプションになるため高価になってしまうことが難点だ。


 ノートのオススメグレードは『X』(218万6800円〜)だが、プロパイロットをオプションで装着すると、純正ナビとのセットオプションになるため44万2200円高になる。


 同クラスのライバルであるトヨタ・アクアやホンダ・フィットには、エントリーグレードから同等レベルの操舵支援機能が標準装着されていることを考えると、ノートの敷居の高さは気になるところだろう。
 
 そこで、価格を優先したいならば、『X』よりも装備設定は限定されるが、その下に位置する『S』(202万9500円〜)を選ぶ選択もある。プロパイロットは装着することはできないが、プリクラッシュブレーキや車線逸脱警報といったひと通りの安全機能は標準装着される。これをベースにして、純正のナビシステムを選べば、比較的価格を抑えてノートを購入することができる。


 ふたつ目のポイントは、ノートとオーラ、どちらを選ぶのか?ということだ。ノートは、スタート価格こそオーラよりも40万円ほど低くなるが、プロパイロットを含めたオプション装備をアレもコレもと追加していくと、もう少し金額を足せばオーラが買えてしまうケースが生じる。


 程度の差はあれども、ノートもオーラもプレミアムキャラが魅力なだけに、十分な予算が用意できるというユーザーならば、動力性能が少し高く、キャビン仕立てが上級仕様のオーラの方が、購入後の満足感は高いだろう。


 オーラは、ハーフレザーシートの『G』(FF:261万300円)と本革シートの『Gレザーエディション』(FF:269万9400円)が選べるが、価格差はそれほどでもないので、『Gレザーエディション』をオススメしたい。

ノート オーラのパネル/トリム、シートの素材感は上級モデルにも負けない印象。ヘッドレストスピーカー付きのBOSEサウンドシステムなど、専用加飾や装備も用意されている。
ヘッドレストスピーカー付きのBOSEサウンドシステム


 そして3つ目のポイントはFF車と4WD車の選び分けだ。先代ノートの4WD車のリヤモーターは小型ユニットだったが、新型ノートのリヤモーターは単独で最高出力50kWを発揮する高機能ユニットとなっている。 


 さらに、前後輪の駆動力の協調制御機能を組み合わされたこともあって、オンロードにおいてもFF車と4WD車の違いがわかるほど進化している。4WD車の方が安定感が高く、特にコーナー時は見事な制御ぶりに惚れ惚れしてしまうほど。


 ノート『X』でFF車と4WD車の価格を比べると、その差は約26万円。走りの質の高さを求めるならば、4WD車を積極的に選ぶと良いだろう。

ニッサン・ノート(4WD)
ニッサン・ノート(4WD)

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