豪州発Gen3マスタングとカマロZL1が追加の風洞テストを決定「美しさを高める」ための措置/RSC

2024年1月10日(水)12時22分 AUTOSPORT web

 オフシーズンに突入した昨年12月に空輸で赤道を越え、北半球はアメリカ大陸で史上初の風洞テストを実施したRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップは、昨季よりオーストラリア大陸に導入されたGen3規定シボレー・カマロZL1とフォード・マスタングに対し、引き続きノースカロライナ州コンコードにある世界最大級の風洞設備『ウインドシア』で“1日限りの追加テスト”を実施すると発表した。


 既報のとおり、アメリカ大陸に渡った12月に3日間のプログラムを完了した両モデルだが、追加のワンデイ・テストは「フォード・マスタングに加えられた改造の美しさを高める」ことに焦点が当てられるという。


 これまでスーパーカーでは、豪州大陸内にある飛行場の滑走路などで『VCAT(車両制御空気力学試験)』と呼ばれる速度制限下での試験を実施し、参戦車両のダウンフォースやドラッグ係数を測定してきたが、シリーズの技術部門はGen3規定2年目のシーズンに向け「より精密で膨大な情報量を得る」べく、世界最高峰のウインドトンネルを初訪問することを決断していた。


 北米を代表するストックカーであるNASCARを筆頭に、インディカーやF1でも活用されるこの風洞は、世界最先端のフルスケール設備として知られ、完全に密閉されたトンネル内は再現性あるデータ収集に重要な条件として室温も一定の24度に維持される。そのローリングロードは幅3m、長さ9mと世界最大級のサイズを誇り、毎秒80m(約290km/h)までの計測を可能とする。


 そんな最新鋭設備で実施された前回の初テストでは、ホモロゲーションチームのトリプルエイト・レースエンジニアリング(GMシボレー)とディック・ジョンソン・レーシング(フォード)が計測車両を持ち込み、スーパーカーの技術スタッフも帯同するなか各日12時間×3日間の計測セッションが実施された。

昨季よりオーストラリア大陸に導入されたGen3規定シボレー・カマロZL1とフォード・マスタングは、12月に3日間のプログラムを完了していた
初回テストでは、基準車としてカマロZL1から測定が開始され、マスタングもその結果に応じて調整される手順を採用した


■追加テストをもとに「さらに美しく、洗練された造形」に細部を高める


 そこでは基準車としてカマロZL1から測定が開始され、マスタングもその結果に応じて調整される手順を採用。最終的にマスタングのスプリッター形状を変更し、両車とも感度を下げるためスプリッター下面フロア部のプロファイル見直しを受けていた。


 また、ダウンフォースやドラッグに大きく影響を与えるリヤウイング周辺の領域にも、角度や位置の変更など微調整が施されている。


「すべてが初めての経験ながら、成功裏に終えた12月のテストから詳細なデータとともに包括的なレポートがすべてのチームに提供され、開発プロセスの透明性が強調された」と語るのは、シリーズのCEOを務めるシェーン・ハワード。


「両方のマシンはまだ米国に保管されているが、12月のテスト中に“Aero Parity(空力同等性)”に達した後、両ホモロゲーションチームによって合意された内容をさらに修正し、更新されたフォードのモデルに対し『さらなる風洞試験を実施する』という決定がなされた」


 現在はウインドシアの近隣にあるNASCAR研究開発施設に「パルクフェルメ保管」されている両車だが、さらなる分析と調整のためテストで使用されたすべての調整部品もともに保管されており、1月12日の追加テストを経てマスタングに加えられた改良部のディテールを「さらに美しく、洗練された造形」に高めることが狙われる。

「すべてが初めての経験ながら、成功裏に終えた12月のテストから詳細なデータとともに包括的なレポートがすべてのチームに提供され、開発プロセスの透明性が強調された」とシリーズCEOのシェーン・ハワード
追加のワンデイ・テストは「フォード・マスタングに加えられた改造の美しさを高める」ことに焦点が当てられる

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