CL史に残るゴラッソ、EURO2016で躍進、“マイコンにタクシーを”…ベイルの名シーン10選

2023年1月10日(火)16時48分 サッカーキング

現役引退を発表したガレス・ベイル [写真]=Getty Images

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 今月9日、ウェールズの英雄、ガレス・ベイルが33歳で現役引退を発表した。サウサンプトンでプロキャリアをスタートさせ、トッテナム、レアル・マドリード、ロサンゼルスFCと歩んできたベイルは、チャンピオンズリーグ(CL)優勝5回という輝かしい実績を誇る。

 そしてウェールズ代表としてはEURO(欧州選手権)とワールドカップで檜舞台に立ち、キャプテンとしてチームをけん引し続けた。それでは、そんなウェールズの英雄のキャリアを、英国放送局『BBC』のアンケートによる「名シーン10選」と共に振り返ろう。

[写真]=Getty Images

■10位 “ジンクス”を止める


 2007年の夏にサウサンプトンからトッテナムにステップアップしたベイルだが、ノースロンドンではあまりにも苦しいスタートが待っていた。2007年からの2シーズン、ベイルは出場したリーグ戦で1度も勝つことができなかったのである。気づけば「今日もトッテナムは勝てなかったの? ベイルが試合に出ていたんだね」といった冗談が囁かれるまでに…。

 最初の24試合(0勝9分け15敗)に勝てなかったベイルだが、2009年9月のバーンリー戦でようやく“ジンクス”を打ち破ることに成功。5−0とリードして迎えた84分に投入されると、そのまま無事に勝利に貢献したのだ!? 

■9位 16歳でデビュー


 2006年4月17日、当時2部のサウサンプトンに所属していたベイルは「16歳275日」で記念すべきトップチームデビューを果たした。そして1か月の5月27日には、トリニダード・トバゴとの親善試合でウェールズ代表デビュー。クラブチームでのデビューからわずか「40日」でA代表デビューというスピード出世。ベイルは、その頃から既に非凡な才能を垣間見せていた。

■8位 「ウェールズ、ゴルフ、マドリー」


 愛国心の強いベイルは何よりウェールズ代表を優先した。所属するレアル・マドリードで7週間も試合を欠場しながらEURO 2020の予選に出場した時には、さすがにレアル・マドリードのファンから批判を浴びた。そして元レアル・マドリードのプレドラグ・ミヤトヴィッチには「彼は独特で、少し変わっている。彼が最優先するのはウェールズで、次にゴルフ、そのあとでレアル・マドリードなんだ」と言われてしまった。

 だがベイル本人はどこ吹く風。EURO 2020本大会の出場権を確保すると「ウェールズ、ゴルフ、マドリー。その順番」と記されたウェールズの国旗を掲げて見せたのだ。これにはウェールズのファンも大喜び、この文言をチャントで大合唱した。

■7位 個人賞を総なめ


 2010−11シーズン、トッテナムで大ブレイクを果たしたベイルはプロ選手協会(PFA)の年間最優秀選手に選ばれることに。そして2年後の2012−13シーズンには、プレミアリーグで33試合に出場して21ゴール・4アシストの大活躍。PFAの年間最優秀選手賞と若手MVP、さらにFWA(記者協会)とプレミアリーグの年間最優秀選手賞を受賞。クラブ年間最優秀選手を含めれば、“個人賞5冠”を達成したのだった。

■6位 世界最高額の選手に

 2013年9月1日、ベイルは当時の世界記録となる移籍金1億ユーロ(約130億円)でトッテナムからレアル・マドリードに移籍することに。マンチェスター・Uの方が高額のオファーを提示したというが、ベイルが選んだのは“白い巨人”だった。

■5位 チャンピオンズリーグ制覇と決勝ゴール


 ベイルはCLに愛される選手だった。レアル・マドリード加入1年目、いきなり決勝まで勝ち上がると、ファイナルで地元の宿敵アトレティコ・マドリードと対戦。1点のリードを許していたレアル・マドリードだったが、93分にセルヒオ・ラモスのゴールで追いついて延長戦に持ち込むと、110分にベイルがヘディングシュートを決めて逆転に成功。結局、4−1で頂点に輝くことに。すると2年後のファイナルでも再びアトレティコ・マドリードと対戦。試合はPK戦での決着となり、ベイルもきっちりとネットを揺らしたレアルがPK戦の末に5−3で勝利。2年ぶりの優勝を果たした。

 翌年、ベイルは生まれ故郷カーディフで行われたファイナルにも勝ち上がると、ユヴェントスを4−1で圧倒してまたしても頂点に輝くのだった。

■4位 EURO2016で大旋風


 ジョージ・ベスト(元北アイルランド代表)やライアン・ギグス(元ウェールズ代表)のように、ベイルも国際大会を一度も経験できない悲運のスターになるかに思われた。だが2016年、ウェールズにとって58年ぶりの国際舞台となる欧州選手権に出場。するとベイルはグループステージ3戦連発でイングランド、スロバキア、ロシアと同居したグループBを見事に首位通過。

 彼らの勢いは止まらず、16強で“英国対決”となった北アイルランドを退けると、準々決勝では優勝候補の一角と目されていたベルギーを3−1で撃破。最終的に優勝するポルトガルに準決勝で敗れるも、ベスト4という偉大な快挙を成し遂げたのだ。

■3位 国王杯でワンダーゴール

 レアル・マドリード加入1年目の2013−14シーズン、ベイルはコパ・デル・レイ(スペイン国王杯)の決勝戦で大仕事をして見せる。宿敵バルセロナとの運命の一戦、1−1で迎えた85分にベイルが自陣から疾走。一時はDFマルク・バルトラにピッチ外へと押し出されるも、そこから大回りで敵DFを追い抜くと、そのまま1人でゴールを奪って見せた。チームに栄冠をもたらした決勝ゴールは、ベイルにとって“エル・クラシコ”での記念すべき初ゴール。この時ばかりは、新聞の見出しを飾ったのはリオネル・メッシでも、クリスティアーノ・ロナウドでも、はたまたネイマールでもなく、カーディフ生まれのウェールズ人だった。

■2位 “マイコンにタクシーを”

 トッテナムでようやく才能を発揮し始めたベイルにとって、大ブレイクの瞬間となったのは2010年のCL・インテル戦だった。敵地でのグループステージの一戦で、トッテナムは開始8分にGKゴメスが退場になり、前半のうちに0−4のリードを奪われてしまったが、後半に入るとベイルが孤軍奮闘することに。

 ベイルは1人で仕掛けると、当時世界最高の右SBの1人と呼ばれていたDFマイコンを何度も突破。なんと後半だけでハットトリックを達成したのだ。結局、試合は3−4で敗れたが、ベイルは一躍時の人になった。そしてホームでの対戦でもベイルはマイコンを手玉に取って2アシストで3−1の勝利に貢献。これにはスパーズのファンも「マイコンにタクシーを!」と大いに盛り上がった。

■1位 チャンピオンズリーグ史に残るゴール


 2018年5月26日、レアル・マドリードはCL決勝でユルゲン・クロップ監督率いるリヴァプールと対戦した。既に3度のCL制覇を経験していたベイルはベンチスタートとなったが、1−1の状況で61分に投入されると即座に結果を残すことに。

 ゴール前に陣取ったベイルは、マルセロのクロスにとっさに反応すると、オーバーヘッドキックでネットを揺らして勝ち越しゴール。その20分後には、無回転ロングシュートで相手GKのキャッチミスを誘って追加点。ベイルの2得点の活躍でレアルは3連覇を達成。ベイルも自身4度目の欧州制覇を成し遂げた。

(記事/Footmedia)

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