佐々木のドジャース入団がMLBを盛り上げる!地元記者が力説するエンタメとしてのスーパー・チームの価値

2025年1月18日(土)10時26分 スポーツニッポン

 ロサンゼルス・タイムズ紙のベテラン記者ビル・シェイキン氏が17日(日本時間18日)、佐々木朗希投手(23)のドジャース入団は野球にとって素晴らしいことと力説している。

 他チームのオーナーたちは、資金面でドジャースと競争するのは難しいとぼやくかもしれない。良い選手がドジャースに集まりすぎることで、MLBが破滅してしまうと批判するかもしれない。2003年、ある風刺サイトが「ヤンキース、野球界の全選手を獲得して2003年のペナントを確実に」と皮肉った記事を掲載したことがある。だがシェイキン記者は、プロスポーツチームはエンターテインメント産業に属しており、この業界で成功する秘策はシンプルに人々が求めるものを提供することだと説明する。

 15年前、NBAのスター、レブロン・ジェームズはテレビの生放送で「僕の才能をサウスビーチに持っていく」と語り、地元のキャバリアーズからマイアミ・ヒートへの移籍を発表し、注目を集めた。クリス・ボッシュ、ドウェイン・ウェイドとトップスターが集まり、スーパー・チームを結成。これに対し批判者は、他のチームは生き残れないし、NBAを破滅させるものだと嘆いた。

 結果は問題なかった。確かに、ジェームズはマイアミでスーパー・チームを形成、在籍4年間でチームは毎年NBAファイナルに進出し、2度のNBAチャンピオンに輝いた。しかし、重要なのは勝ち負けだけではない。ジェームズが在籍した4年間、ヒートは毎年NBAのロード観客動員数でトップを記録。スター選手が来る試合を、敵チームのファンも見たがった。今シーズン、並みのチームになっているヒートはロード観客動員数で20位である。

 24年、ドジャースは大谷翔平、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンといったスターをそろえ、平均ロード観客動員数は3万6253人で、2位のヤンキースを11%も上回った。この数字は、ドジャースがリーグ最大のスタジアムであるドジャースタジアムでロードゲームを行わない唯一のチームであることを考えると、さらに驚異的だ。

 ディズニーランドが新しいアトラクションでリピーターを引き付けるように、ドジャースもこのオフ、ブレーク・スネルや佐々木という新たな魅力を加えた。それがエンターテインメントだ。野球は毎日試合が行われるため、北米スポーツの中で最もチケット販売収入を生み出している。他のチームのオーナーたちはドジャースと競争するのは難しいと言うかもしれないが、スター選手をそろえたドジャースが遠征でやってくると、チケット売り上げでその恩恵を受ける。

 勝負にならないと言っても、プレーオフの出場枠は03年の8チームから現在は12チームに拡大されている。ポストシーズン進出には80勝台の勝利数で十分。ドジャースと競争することが難しいと主張するオーナーは、早くチームを売却した方がいい。プロ野球はエンターテインメントビジネス。ドジャースは佐々木加入でスーパー・チームとなり、多くのアメリカ人が求めるものを提供する。

スポーツニッポン

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