アーセナル低迷の原因はスタジアムの雰囲気に? ヴェンゲル氏「ハイバリーに魂を…」
2020年1月21日(火)12時9分 サッカーキング
アーセナルは2006年夏を境に、約3万8000人収容の『ハイバリー』から約6万人収容の『エミレーツ・スタジアム』へと本拠地を移転。それによって、近年は年間約1億ポンド(約142億円)のスタジアム収入を得ることに成功している。“ビッグ6”ではマンチェスター・Uに次ぐ2位の数字で、ライバルのトッテナムやチェルシーよりもおよそ2500万ポンド(約36億円)多い。しかし、新スタジアム建設に4億ポンド(約568億円)以上の費用がかかったことで、負債返済の間は十分な補強予算を得られず、移転後はタイトルから遠ざかることになってしまった。
1996年10月から2018年6月にかけてアーセナルを指揮したヴェンゲル氏は、他クラブのサポーターからは“図書館”と揶揄される『エミレーツ・スタジアム』の雰囲気にもチーム低迷の原因があると考えているようだ。同氏は次のように語り、“古き良きスタジアム”から近代的な大型スタジアムに移転したことで、ある種の情熱が失われたと主張した。
「ハイバリーは(リヴァプールの)アンフィールドと似ていて、スタジアムには“魂”があった。私たちは新しいスタジアムを建てたが、私たちの“魂”を見つけることはできなかった。ハイバリーに“魂”を置いてきたんだ。安全上の理由から、(エミレーツでは)それを再現することはできなかった」
「救急車両が入場する必要に備えて、ピッチとスタンドの距離を大きくしなければならなかったんだ。スタンドの傾斜もすべて小さくする必要があった。その結果、雰囲気を再現することはできなくなった」
ヴェンゲル氏は『ハイバリー』で指揮した10シーズン、3度のプレミアリーグ優勝や4度のFAカップ制覇をもたらし、チャンピオンズリーグ決勝にも進出。その間のリーグ戦平均順位は「2」位だった。しかし、『エミレーツ・スタジアム』移転後に指揮した12シーズンは優勝争いから遠ざかり、タイトルは3度のFAカップ(2014年、2015年、2017年)のみ。その間のリーグ戦平均順位は「3.75」位で、最後の2シーズンはトップ4フィニッシュすら逃していた。