罰金の使い道を明かそうとしないFIA会長。一方で草の根レベルの活動などに使われているとトンバジスが示唆

2025年1月25日(土)7時0分 AUTOSPORT web

 FIA国際自動車連盟が、F1ドライバーとチームに科す非常に重い罰金をどのように活用しているのかということは、FIAのモハメド・ビン・スライエム会長とグランプリ・ドライバーズ・アソシエイション(GPDA)の間の不和のもととなっている。GPDAの理事であるジョージ・ラッセル(メルセデス)は、サラリーの低いドライバーにとっては罰金が重荷であることを声高に主張しているが、ビン・スライエムはグランプリドライバーたちとの関係が悪化し続けているなか、「それは彼らには関係ないことだ」と述べて議論に参加することを拒否している。

GPDAの会長を務めるジョージ・ラッセル(メルセデス)


 FIAのシングルシーター担当ディレクターを務めるニコラス・トンバジスは、対立的な態度をかなり控えており、ドライバーの懸念に対してより落ち着いた反応を示した。もちろんトンバジスは、F1ドライバーやチームからFIAが徴収した罰金がどこに行くのかを詳しく説明する立場にはないが、少なくとも彼は、ビン・スライエムが進んで提供したというもっともらしい説明を伝えた。


「草の根レベルのモータースポーツへの支出額は、累積された罰金をはるかに上回っている。そこに投入されるものはすべてポジティブな影響を生むことが示されていると私は考えている」とトンバジスは説明した。


「絶対に確実に言えることは、あるスポーツのドライバーへの罰金が、別のスポーツや他のカテゴリーなどを補助することはないということだ。他の取り組みに対しては、それがオンラインでの嫌がらせに関するキャンペーンやこれまで話してきた草の根の活動、あるいは安全プロジェクトであろうが、この資金の立派な使い道だと私は考えている。そしてこのお金はそうしたことに貢献している」


「FIAは営利団体ではない。したがって、我々には、株式市場の数字を見て株価が上がるか、配当が増えるかといったことを期待する株主はいない」


「草の根活動や多くのクラブおよび国が、初期のモータースポーツ活動のさまざまなプロジェクトを促進するにあたって、FIAは約1030万ユーロ(約16億8000万円)を費やしている。これは非常に重要だと思う。結局のところ、F1の健全性はモータースポーツ全体の魅力に大きく左右されると考えている。エキサイティングなグランプリが開催されるだけではない。それは、自国において比較的低レベルの草の根レベルのモータースポーツに、より多くの人々が参加することも意味する。それが最終的にはF1にとって有益になると思う」


「もちろん、もうひとつには、将来のドライバーを選ぶということがある。ドライバーがどのようにして成長するか、たとえば裕福な家庭の出身でなくてもその機会を得られるかということだ。それが最終的に重要な目標となっている」

2024年F1第9戦カナダGP Sky F1のインタビューに応じるニコラス・トンバジス(FIA シングルシーター担当ディレクター)


 FIA会長とドライバーたちが交わしてきた議論に関して、トンバジスは緊張があったことには取り合わず、次のように述べた。


「この問題は、議論されている罰金など、その時の感情に多少左右されることがあると思う。罰金を払う人は誰でも少しは腹を立てるし、多少の不満を感じるかもしれないことは理解している。しかし、さまざまなレベルのプロジェクトがあることは確かであり、このお金がクリスマスパーティーなどに使われているなどという結論を出すことはできないだろう」


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