立浪親方と天国の師に最高位で恩返し 豊昇龍、昨年秋場所は失意で惨敗も悲しみを力に変えた

2025年1月27日(月)4時30分 スポーツニッポン

 ◇大相撲初場所千秋楽(2025年1月26日 両国国技館)

 豊昇龍の活躍を一番喜んでいるのは師匠の立浪親方(元小結・旭豊)だ。8、9日目に連敗するとあえて「楽しんでやれ」と激励し、下を向く大関を勇気づけた。重圧と闘う背中を見てはフォロー。場所中は“立浪のカーテン”を引き、外部からの雑音をシャットアウト。稽古に集中できる環境を整えた。部屋全体で綱獲りをバックアップした。

 2度目の優勝を見届け「前に出られるようになり、相撲の流れが良くなった。気持ちの切り替えができるようになったのは、今場所で成長した部分だ。大関に上がった頃よりも確実に強くなった」と感慨深げだった。

 千葉・日体大柏高時代にレスリングの指導を受けた恩師、大沢友博さんも天国で喜んでくれたはずだ。昨年秋場所5日目の夜。訃報を知らされた。急性骨髄性白血病で闘病中で69歳だった。「日本に連れてきてくれた。本当に恩人。ショックで翌日の朝は起きられなかった」。6日目の王鵬戦は惨敗。取組後に礼を合わせず、異例のやり直しを命じられた。

 相撲に転向後も、背中を押してくれた。家族から「相撲を見ている時のお父さんの顔が、一番生き生きしていた」と聞かされ、喜びとともに胸が詰まった。悲しみを力に変え、叔父の元朝青龍に並ぶ最高位を手中にした。

【幼少期の恩師もエール「長く地位維持できる」】

 豊昇龍が幼少期に習っていた柔道の師匠、シジェー・エルデネビレグ氏はウランバートルで喜びを語った。「横綱になると確信していた。本当にうれしい。集中力とテクニックを併せ持った強い力士。長く横綱の地位を維持できるはずだ。今後もウエートトレーニングなど稽古に励むように」とエールを送っていた。

スポーツニッポン

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