“酷い試合”で真価を発揮 世界王座に返り咲いたフルトンを米記者が激賞「イノウエ戦で尽き果てたと疑問視する人もいた」

2025年2月2日(日)17時6分 ココカラネクスト

フィゲロアをパンチ数などで圧倒したフルトン。(C)Getty Images

 見どころの少なさにブーイングも飛んだ。それでも米ボクシング界屈指の名手は、世界王座を再び掴んだ。

 現地時間2月1日、米ネバダ州ラスベガスでボクシングのWBC世界フェザー級タイトルマッチ12回戦が行われ、同級2位のスティーブン・フルトンが、王者ブランドン・フィゲロア(ともに米国)に判定勝ち(116-112×2、117-111)。2023年8月にスーパーバンタム級で井上尚弥(大橋)に敗れて以来となる約2年半ぶりの世界王者となった。

【動画】フィゲロアを手数で圧倒 名手フルトンの攻防シーン

 決してド派手な奪還劇ではなかった。序盤から果敢に前に出て、近距離戦に持ち込んだフィゲロアを巧みにいなしたフルトンは、終始主導権を掌握。身体を寄せられる場面が目立ったが、アッパーとフックを確実に当ててポイントを稼ぐ。そして12ラウンドを通して相手に反撃の隙を与えなかった30歳は、パンチの着弾数でも圧倒。派手な打ち合いを望んだファンからはブーイングも飛んだが、それでもブレずに試合を進めて、勝利を手にした。

 真骨頂とも言える巧みなスキルと、高いボクシングIQを存分に見せつけたフルトン。玄人好みな試合展開ではあったが、王者に差をつけた内容に現地記者からは太鼓判が押された。

 米専門メディア『FightHype.com』のレポーターで、厳格な全米ボクシング記者協会(BWAA)の会員でもあるショーン・ジッテル氏は自身のXで「これは醜い試合だった」と率直に指摘。その上で、王座をもぎ取ったフルトンを称賛した。

「フルトンを大いに称えたい。彼のことをイノウエ戦で精魂が尽き果ててしまったのではないかと疑問視する人もいた。しかし、彼はアンダードッグとして試合に挑み、明らかな勝利を収めた。序盤からフィゲロアを圧倒し、その後はインサイドで度胸を見せた」

 23年7月に井上に8回TKO負けで王座陥落して以来、フルトンはフェザー級で再起の道を模索してきた。昨年9月に実現したカルロス・カストロ(米国)との再起戦で勝利を収め、新たな階級での適応期間でしっかりと順応していた。

 すでに井上は将来的にフェザー級で戦う意向を明言している。そんなモンスターの動向次第ではあるが、フルトンと再びベルトを懸けて再戦する可能性はゼロではないと言えそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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