日本人初ウエルター級王者へ!佐々木尽「歴史を変える」 6・19世界初挑戦はノーマンと「宇宙人対決」

2025年4月26日(土)5時4分 スポーツニッポン

 ◇WBO世界ウエルター級タイトルマッチ 王者ブライアン・ノーマン《12回戦》同級2位・佐々木尽(2025年6月19日 大田区総合体育館)

 WBO世界ウエルター級2位の佐々木尽が6月19日にWBO世界同級王者ブライアン・ノーマンに挑戦することが25日、横浜市内のホテルで発表された。日本人が世界王座を獲得したことがないウエルター級(リミット147ポンド=約66・6キロ)で“第1号”になると公言する佐々木にとって、プロ22戦目で初の大舞台。国内では36年ぶり開催となる同級世界戦での初戴冠へ、KO率80%超の強打者は初回から激しい打撃戦を予告した。

 会見場は何度も爆笑の渦に包まれた。世界初挑戦の佐々木は黒のオーダースーツに身を包み、興奮と緊張で震える声で「夢のよう。人生の中で2番目に幸せ。本気でこの試合に人生を懸けて挑む」と決意表明した。ちなみに1番は「母のおなかの中から生まれてきたこと」。「なんで生まれてきたかが分かった。勝って、日本の歴史を変えるため」と真剣なまなざしで語った。

 突きつけた挑戦状が成就した。先月末に米ラスベガスでノーマンの初防衛戦を観戦。試合後、つたない英語で対戦オファーした。「スピード、パワー、技術全てそろっていて本当に強い。“ノーマン”だけに人間やめているのかと思った。弱点はない」と実力を認めた上で「今回は宇宙人対決。日本代表として絶対に勝つ。相手が強い方が自分も強くなる」と言い放った。

 既に王者とは夢の中で何度も対峙(たいじ)。洋楽に乗りながら自分より先に入場した相手は「どんどん目が真っ赤になって怪物みたいになっていった」と興奮気味に話す。初回にダウンを喫するも直後に奪い返したといい「実際にあり得そう。試合でも1回から盛り上げる」と予告。夢を“正夢”に変える気だ。

 ウエルター級の国内での世界挑戦は36年ぶり。日本人未到の階級だが「勝算はめちゃめちゃある。これをものにしなければもう人生終わり」と不退転の覚悟。勝利者インタビューではIBF王者エニス(米国)らに統一戦を呼びかけることも計画中。「学校とか仕事をサボってでも来てほしい。後悔させない」。最後まで天然ボケをさく裂させたエンターテイナー。あとはリング上で暴れるだけだ。

 ◇佐々木 尽(ささき・じん)2001年(平13)7月28日生まれ、東京都八王子市出身の23歳。中1から八王子中屋ジムで競技を始め、18年8月にプロデビュー。20年12月に日本スーパーライト級ユース王座、23年1月にWBOアジア・パシフィック・ウエルター級王座、24年5月に東洋太平洋同級王座を獲得。25日付で両王座を返上。口癖は「日本人初の世界ウエルター級王者になる男」「待ってろ世界」。身長1メートル74の右ボクサーファイター。

 ▽過去の日本勢ウエルター級の世界挑戦 これまで世界ウエルター級王座に挑んだ日本人は辻本章次(ヨネクラ)、龍反町(野口)、尾崎富士雄(帝拳)、佐々木基樹(同)の4人で全てはね返されてきた。同級の国内での世界挑戦は1989年12月の尾崎VSWBA王者マーク・ブリーランド(米国)以来36年ぶり。海外も含めると09年10月の佐々木基VSWBA王者ビアチェスラフ・センチェンコ(ウクライナ)以来16年ぶり。

スポーツニッポン

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