ERC:ロシア人初のチャンピオンがシトロエン、シュコダのR5を立て続けにテスト

2019年1月31日(木)17時50分 AUTOSPORT web

 ERCヨーロッパ・ラリー選手権に参戦するフランスのサンテロック・レーシングは、2018年にロシア人として史上初のERC王者に輝いたアレクセイ・ルカヤナクをテストに招聘。2019年から本格投入する『シトロエンC3 R5』のステアリングを託し、ポテンシャル確認とマシンセットの準備作業を進めると、ルカヤナクは続く年明けにはイタリアチームの『シュコダ・ファビアR5』のテストも請け負うなど、立て続けに複数車種のドライブを経験した。


 ブランパンGTシリーズなどでも活動し、ERCではR5カーでの若手育成に加えてR2でのジュニアチームも運営するサンテロック・レーシングは、これまでERCジュニアU28、同U27登録で若手有望株のドライバーにチャンスを与える活動を続けてきた。


 そのサンテロックはこれまで同プログラムで使用してきた『プジョー208T16』に代え、今季から『シトロエンC3 R5』を本格投入することを決定。2018年12月年末にERCチャンピオンのルカヤナクを迎えて、フランス東部バランス近郊で走行テストを重ねるとともに、マシンポテンシャルの評価作業を行った。


 チームによれば、ルカヤナクの参加は来季向けのドライバー選抜候補というより来季のプログラムでターゲットとなるパフォーマンス指標を導き出すことが目標だと説明。ラリーマネージャーを務めるビンセント・ドゥシェは「サンテロックとしても、このニューカーでERCのタイトル戦線に加わりたいと考えているんだ」と付け加えた。


「だからこそ、あらゆる可能性を模索したいと思っている。我々としてもアレクセイ(・ルカヤナク)のような素晴らしく速いドライバーにC3 R5を試してもらうのは最高の財産になったし、彼のフィードバックはとても興味深いものだった」


 一方、昨年までロシアンスポーツ・チームの『フォード・フィエスタR5』をドライブしてきたルカヤナクは、新たなR5規定車両の経験を「とても印象的な瞬間だった」と評した。


「このシトロエンはとても良い感覚でドライブできるマシンで、力強さを感じさせるね。サンテロックと今後どのような関係を築いていくかはまだ分からないんだ」


 さらにルカヤナクは、2019年1月初旬にステップ5モータースポーツの『シュコダ・ファビアR5』もテストし、シーズンを前に着々とR5規定車種の経験を蓄積するとともに、今季ERCシーズンに投入することを計画していた姉妹モデル『フォルクスワーゲン・ポロGTI R5』に対し、有益な情報を持ち帰ることとなった。


■ポロGTI R5を購入しようかどうか悩んでいたが……


2018年6月にFIAホモロゲーションを取得し、散発的にテスト参戦を重ねてきた『シトロエンC3 R5』
2019年初にはイタリアのステップ5モータースポーツに招かれ『シュコダ・ファビアR5』もドライブ
VWグループ傘下ということもあり、新型『フォルクスワーゲン・ポロGTI R5』にはファビアのノウハウも活かされている


「このイタリアンチームとのテスト機会は約30km程度と短いものだったが、クルマを走らせるにつれ車種キャラクターが掴めると同時に、チーム全体がどのような水準で仕事をしているかを如実に感じることができた」と、充実の表情を見せたルカヤナク。


「このファビアR5はとてもバランスのいいクルマで、各部がスムースに作動する。そしてエンジンは非常にパワフルでとても魅力的だったし、チームも素晴らしい雰囲気だった」


「現時点で確かな計画はないけれど、このテストを終えて胸のうちに温めていたアイデアがまたふつふつと湧き上がってきた。本当は(フォルクスワーゲン)ポロGTI R5を購入しようかどうか悩んでいたが、気持ち的には今季も引き続きフィエスタで戦う方に傾いてきた。けれど多分、近いうちにその新型を試してみることになるだろうね!」


 一方、2018年はその『シュコダ・ファビアR5』をドライブし、ルカヤナクとタイトル争いを繰り広げたポルトガルのブルーノ・マガラエスは、2019年の活動を国内選手権にシフトすることを決断。


 新たにチーム・ヒュンダイ・ポルトガルのファクトリー契約ドライバーとなり、最新の『ヒュンダイi20 R5』で自身4度目のポルトガル王者を目指すと同時に、数ラウンドのERC参戦を目指すと発表した。


「チーム・ヒュンダイ・ポルトガルに加入して最新モデルをドライブできるのは、2019年シーズンに向けて自信の源になるし、この絶好の機会にワクワクしている」と意気込みを語った2018年ERCランキング2位のマガラエス。


「我々は最善を尽くすつもりだし、ともに良いリザルトを持ち帰ることができると信じている。ファーストプライオリティはポルトガル選手権になるけれども、2017年も勝利を挙げたERC開幕戦のアゾレスには、ぜひ今季も挑戦したいと考えている」


 また、マガラエスのチームメイトを務め、もう1台の『ヒュンダイi20 R5』に乗るのは、PWRCプロダクションカー世界ラリー選手権で2度のタイトルを獲得しているアルミンド・アラウージョという強力な布陣となっている。

ポルトガル国内で2019年チーム体制発表会を開催したチーム・ヒュンダイ・ポルトガル
過去2年、ERCでランキング3位以内を守り、2017年は開幕戦アゾレスを制しているブルーノ・マガラエス
ファクトリー契約を結んだマガラエスは、早速最新の『ヒュンダイi20 R5』でテストを開始している


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