「同じルーキーだから気楽にいこうよ!」巨人新助っ人・キャベッジはナイスガイ 初フリー打撃で緊張のドラ3とグータッチ
2025年2月3日(月)5時0分 スポーツ報知
志願のフリー打撃で鋭い打球を飛ばすキャベッジ(カメラ・岡野 将大)
巨人の新外国人、トレイ・キャベッジ外野手(27)=前パイレーツ=が2日、周囲の度肝を抜くパワーを見せつけた。宮崎キャンプ2日目にサンマリン宮崎で行われた初の屋外フリー打撃に阿部慎之助監督(45)ら首脳陣に志願して参加。右翼越えに推定135メートル弾を放った。65スイング中バックスクリーンへの3発を含む6本のサク越えを披露した新5番候補は、11日に予定される紅白戦への出場にも意欲を見せた。
小さくゆったりと右足を上げ、一気にパワーを解き放った。サンマリンに破壊音が響いてから4秒後。キャベッジの打球は、右中間席の上段にたなびく「新風」とプリントされた黒のビッグフラッグに直撃した。推定135メートル弾にどよめくスタンド。「どれくらい打球が伸びるのかを確かめたかったので、すごく良かった」と23年に3Aで30本塁打を放った長打力をまざまざと見せつけた。
5スイング目にバックスクリーンへ“1号”を運ぶなど6本のサク越え。「力まないように意識した」と軽振で左翼フェンス際へライナーを運ぶ引き出しも見せた。広島・岩本スコアラーは「しっかり仕上げてきている印象。打ち方がシンプルで、日本のクイックにも対応できてくるのでは」と警戒心を強めた。
異例の志願が実った。調整が一任されるS班だがキャンプ2日目にして「外で打ちたいです」と首脳陣に要望。来日からわずか5日目だが、真面目な新助っ人は「本当は(雨で室内練習になった)初日に屋外で打撃がしたかった」と体がうずいた。11日にはチーム今季初実戦の紅白戦が予定されており「体の状態によりますが1打席でも立っておきたい。機会があればぜひ出場したい」と意欲的だ。
「全ての準備にちゃんと目的がある」という信念は、元同僚のスーパースターから学んだ。23年にエンゼルスで大谷とチームメート。数々のルーチンを目のあたりにし「彼のスタイルを自分のものにしたいという思いで見ていた」と背中を追いかけてきた。「彼のように鋭い打球をいっぱい飛ばせれば一番いいですけど」としつつも、22年にマークした打球速度194・7キロは、大谷の自己最速191・8キロを上回る。日本で“大谷級”のアーチ量産に期待がかかる。
ナイスガイな一面も垣間見えた。フリー打撃開始直前。一塁側ベンチ前に立っていた荒巻に歩み寄り「同じルーキーだから気楽にいこうよ!」と声をかけた。プロ初の屋外フリーに臨むルーキーの緊張を察し、笑顔でグータッチを交わした。
練習後は田中将、マルティネスとトークショーに参加。ステージ上で「キャビーと呼んでほしいです」と表情を崩し、ファンからの「キャビー」コールに右手を上げて応えた。「一発でも多く、どでかい花火をファンの皆さんに打ち上げたいと思います」。昨年に続き「新風」をスローガンに掲げる阿部巨人。台風の目になるのは、この男かもしれない。(内田 拓希)
◆G最近のサンマリンでの驚弾
▽アレックス・ゲレーロ(18年2月8日) キャンプ初の屋外フリー打撃を行い、左翼席上段への推定140メートル弾を含む20本のサク越え
▽岡本和真(23年2月4日) フリー打撃で、右から左へ流れる約7メートルの宮崎特有の強風に逆らうように左中間席へ推定135メートル弾