名古屋の18歳FW貴田遼河、マラドーナ氏を輩出したアルヘンティノスへの期限付き移籍が決定

2024年2月5日(月)6時0分 サッカーキング

名古屋グランパスのFW貴田遼河 [写真]=J.LEAGUE via Getty Images

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 名古屋グランパスは4日、同クラブに所属しているU−18日本代表FW貴田遼河が、アルヘンティノス・ジュニオルスへ期限付き移籍することを発表した。

 両クラブの発表によると、期限付き移籍期間は2024年12月31日まで。アルヘンティノス側からの発表によると、契約には買い取りオプションも付いているという。なお、貴田はアルヘンティノスのリザーブチームに合流することも明かされた。

 貴田は2005年7月15日生まれの現在18歳。東京ヴェルディジュニアとFC多摩ジュニアユースを経て、名古屋グランパスU−18に加入すると、2022年7月に行われた天皇杯JFA第102回全日本サッカー選手権大会のセレッソ大阪戦で16歳にしてトップチームデビューを飾った。2023シーズンは公式戦通算19試合の出場で3ゴールを記録。名古屋の公式戦最年少得点記録を塗り替えるとともに、MF杉森考起(現:徳島ヴォルティス)とDF菅原由勢(現:AZ)に次いで、クラブ史上3人目となるU−18所属中のプロ契約を勝ち獲っていた。

 また、今年1月にはAFCアジアカップカタール2023を戦う日本代表の活動にトレーニングパートナーとして帯同。1月4日から23日までの期間、A代表の選手たち同じ環境でトレーニングに励んだ。

 期限付き移籍に際し、貴田は名古屋を通してコメントを発表。移籍を決めた自身の心境を明かし、クラブと学校へ感謝の言葉を述べつつ、新天地での意気込みを綴った。

「このたび、南米のアルゼンチンへの挑戦を決めました。アジアカップのトレーニングパートナー帯同中に急きょお話をいただき、そんな状況の中でも自分の思いを理解していただいたクラブには心から感謝しています」

リオネル・メッシ選手に憧れてサッカーを始めた時から、南米のサッカー、アルゼンチンのサッカーに憧れ、意識をして、いつか機会があればチャレンジしたいと思っていました」

「常に厳しい環境に身を置く。悩んだ時は飛び込んでみる。今までもそのようにサッカーと向き合ってきました。3年前、東京から親元を離れ名古屋に来てからは、山口GMをはじめ、全ての関係者の皆さまに大切に育てていただきました。高校在籍中にプロ契約もさせていただき、長谷川監督にはたくさんのチャンスもいただきました。本当に名古屋グランパスに来てよかった、自分の選択は間違っていなかったと実感しています」

「そんな中でのアルゼンチンへのチャレンジはとても難しい決断でしたが、チャレンジするなら10代のこのタイミングしかないと思い、自分しか出来ない決断、自分らしい決断をしたかったので覚悟を決めました」

「グランパスファミリーの皆さま、私を応援してくださった皆さま、これまでたくさんの温かい声援や熱い応援をありがとうございました。また、東海学園高校の先生方、学校の仲間、たくさんのサポート、応援をしていただきありがとうございました」

「日本の反対側から成長をお届けできるよう頑張ってきます。この決断を正解にする為に、逆境に直面しても自分の魂をアルゼンチンでも示し、命懸けでサッカーをしてきます。これからも応援していただけたら嬉しいです。行ってきます!」

 貴田の新天地となるアルヘンティノスは、首都のブエノスアイレスを本拠とするクラブ。1904年創設の古豪で、1985年には当時アルゼンチン国内の各地域リーグの勝者が参加していた全国選手権でトロフィーを掲げた。同年はコパ・リベルタドーレスを制して“南米王者”にも輝いている。

 同クラブ出身のアルゼンチン代表選手も非常に多い。アカデミーのみの在籍だったものの、フアン・ロマン・リケルメ氏やエステバン・カンビアッソ氏を輩出。アカデミーを経てトップチームに昇格し、その後羽ばたいていった選手にはフアン・パブロ・ソリン氏、フェルナンド・レドンド氏、ルーカス・ビリア氏らがいる。そして、アルゼンチン代表を2度目のFIFAワールドカップ制覇へ導いた故ディエゴ・マラドーナ氏がユース時代を過ごし、プロデビューを飾ったクラブとしても知られている。

 トップチームのシーズンは既に開幕しており、現在は5月まで行われるコパ・デ・ラ・リーガ・プロフェシオナルを戦っている。リザーブチームへの加入が発表された貴田は、まずはトップチームでのデビューを目指して南米での日々を過ごすこととなりそうだ。


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