ゼッケン『1』のバニャイア始動。ホンダはマルケスに4台用意、トップはドゥカティのベゼッチ/MotoGPセパン公式テスト1日目

　2月10日、2022年シーズンのロードレース世界選手権MotoGPクラスのセパン公式テスト1日目がマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われ、マルコ・ベゼッチ（ムーニーVR46レーシング・チーム）がトップタイムをマークした。

　2月5〜7日にセパンで行われていたMotoGPシェイクダウンテストに引き続き、10日から3日間セパン公式テストが実施されている。2023年レギュラー参戦ライダー22名とテストライダー3名がテストに参加した。

　テスト1日目はドライコンディションでスタートしたが、雨が降り出し一時中断する場面もあった。そんななか初日トップに立ったのは55ラップを周回こなして1分58秒470をマークしたベゼッチだった。

　そして、この日最多周回数67周をこなしたマーベリック・ビニャーレス（アプリリア・レーシング）が2番手に着けた。3番手には、今年からドゥカティのファクトリーチームに昇格したエネア・バスティアニーニ（ドゥカティ・レノボ・チーム）が並んだ。

　3番手に着けたバスティアニーニは2022年型のドゥカティ・デスモセディチGPも使用してテストを行っており、1日目はトップスピード時速336.4km／hを記録した。さらに昨年の王者フランセスコ・バニャイア（ドゥカティ・レノボ・チーム）は、新しいエアロパーツをテストし、初日は5番手に着けた。

　4番手にはホルヘ・マルティン（プリマ・プラマック・レーシング）がつけた。クラスメイトのヨハン・ザルコ（プリマ・プラマック・レーシング）は新しいエアロパーツをテストしていたようだ。ドゥカティ勢が上位を占める結果となった。

　ドゥカティが上位を占めるなか、3番手に着けたビニャーレス率いるアプリリア勢は、シェイクダウンテストでも見られた新しいエアロパッケージをテスト。テールユニットも変わり、エキゾーストもアップデートがあり、シャシーやスイングアームなどの新パーツも導入されていた。なお、2023シーズンからヤマハからアプリリアに移籍したRNF・MotoGPチームは、2022年シーズンの最終型RS-GPが準備され、テストを行っていた。

　2023年シーズンから参戦台数が2台へと変更になったヤマハ勢は、ファビオ・クアルタラロとフランコ・モルビデリ（モンスターエナジー・ヤマハMotoGP）に各3台のYZR-M1が準備され、テストを行った。

　そして、ヤマハ・テスト・チームからはカル・クラッチローと中須賀克行も参加。クラッチローは初日に走行はなかったが、中須賀は58ラップをこなした。クアルタラロは2022年と異なるシャシーをテストして最高速度は334.3km／hを記録したが、スロットル接続の点で問題が生じているため、2023年型には使用されないようだ。

　ホンダ勢トップは、12番手のマルク・マルケス（レプソル・ホンダ・チーム）だった。マルク・マルケスには比較検証のため準備された4台のRC213Vでテスト。1台にはアルミニウム製スイングアームが装備されているが、カレックス製ではないものだったという。

　さらに日本勢の中上貴晶（LCRホンダ・イデミツ）は、ふたつの異なるシャシーとふたつの新エンジンをテストしていたようだ。同じくホンダ勢の、チーム・スズキ・エクスターから移籍したジョアン・ミル（レプソル・ホンダ・チーム）とアレックス・リンス（LCRホンダ・カストロール）はRC213Vへの乗り換えを継続して行った。

　続いてKTM勢は、初日に一番乗りでコースへと出ていったジャック・ミラー（レッドブルKTMファクトリー・レーシング）のRC16には新しいエアロが装着され、53周をこなして16番手で終えた。対してチームメイトのブラッド・ビンダーのRC16には外から見てわかる変更はなかったようだが、エンジンのスペックを比較する作業をしていた可能性があるという。

　新チームのGASGASファクトリー・レーシング・テック3からシェイクダウンテストにも参加していたルーキーのアウグスト・フェルナンデスのRC16に変化があった。新しいシートとテールユニットを装備してテストを行っていた。チームメイトのポル・エスパルガロは、バレンシアテストで使用していた新しいシャシーを施したRC16をテストしていた。

　レギュラーライダーを含めて2023年のテストが始動。2日目もマレーシアのセパンでオフィシャルテストが継続される。