WTCR:2020年から週末2レース制と厳しいコスト削減策導入。「新型コロナウイルスの影響も後押し」

2020年2月19日(水)15時49分 AUTOSPORT web

 TCR規定の最高峰シリーズ、WTCR世界ツーリングカー・カップは4月24〜26日に開幕する2020年シーズンからレースフォーマットを大幅に変更すると発表した。今シーズンはレースウィークに1回の予選と2回の決勝レースが行われる。


 WTCRはツーリングカーレースの最高峰WTCC世界ツーリングカー選手権が生まれ変わる形で、2018年に発足。過去2シーズンは日本を含む世界各地でレースが行われてきた。


 従来のフォーマットでは3日間がレースウィークとされ、2度のフリープラクティスと1度の計時予選、1度のノックアウト予選が行われたあと、大会2〜3日目にレース1〜3が行われてきた。


 しかし、2020年シーズンからレースウィークは2日間のみ。大会初日に2度のフリープラクティスと1度の予選、大会2日目にレース1〜2を行うWTCC時代を踏襲したようなフォーマットへと改められる。


 決勝レースについては、全長25.378kmのニュルブルクリンク北コースが舞台の第2戦ドイツを除いた全戦で、レース2の周回数はレース1より3周多い周回数で争われる。第2戦ドイツについては、レース1、2ともに3周で争われる見込み。


 決勝のグリッドはレース1がリバース形式、レース2は予選結果順となる。


 シリーズプロモーター側としては、大会初日を予選日とすることで「観戦に訪れたファンに、シリーズに参戦するヒーローやマシンをより間近に体験してもらう時間を増やす」という狙いがあるようだ。


 このレースフォーマット変更にあわせ、当初2021年に導入予定だったコスト削減策についても1年前倒しで導入されることが明かされた。


 2019年に導入されたチームスタッフの人数制限については、さらに枠が狭められ、2台体制のチームは12名、3台体制のチームは18名までの登録が許される。ただし、マシンに触れられるのは、このうち10名だけで支給されるアームバンドを着用する必要がある。


 今季からグツドイヤーが供給するワンメイクタイヤについても、初戦のハンガロリンクについては18本、第2戦以降は12本の使用制限が課される。2019年までは初戦が22本、第2戦以降が18本だった。


 コスト削減については、2021年以降にも追加策を講じるべくタスクフォースを組織してプランを作成。2020年内にプランをアナウンスするとしている。


 WTCRをプロモートするユーロスポーツ・イベントのフランソワ・リベイロ代表は「WTCRを守るため、レースファンやメディア、ステークホルダーにとって魅力的な存在であるため、なによりプライベートチームでも購入可能なTCR車両のトップシリーズであるために、断固とした策を講じた」と述べている。


「これまでの継続参戦が難しい予算枠、そして新型コロナウイルスが国際経済に与える打撃なども、今回のコスト削減策、レースフォーマット変更導入を後押しした。今回のプランはFIAと参戦チーム、ステークホルダーと話し合った末のものだ」


「本心を言えば歓迎したい変更ではないが、シリーズを前進させるためには導入しなければならないものだった」


「ただWTCRプロモーターの立場として、マーケティングを縮小したり、シリーズの放送エリアを減らすといった策は採らない。チームやそれを支えるスポンサーのためにも、WTCRという商品を守り、我々のファンに興奮を届けなくてはならないからだ」


 WTCRについては有力メーカーであるフォルクスワーゲンとアウディが、「今後は内燃機関で争うレースにワークス参戦は行わない」というグループの方針に従い、参戦チームへのワークス支援を打ち切るため、チーム撤退が相次いでいる。


 今回のコスト削減やレースフォーマット変更のプランは3月6日に行われるWMSC世界モータースポーツ評議会(ワールド・モータースポーツ・カウンシル)で最終承認を経て、正式に発行される。


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