アブダビでの王者決定戦、3チームが100周年のル・マン出場権を獲得/アジアン・ル・マン第3戦&第4戦

2023年2月20日(月)12時47分 AUTOSPORT web

 2月17〜18日、UAEアラブ首長国連邦の首都アブダビで2023年AsLMSアジアン・ル・マン・シリーズ第3戦と最終戦が行われ、全4戦で争われた今季のシリーズチャンピオンが確定した。


 1週間前にドバイで開幕したアジアン・ル・マン。2023年シーズンも中東のドバイとアブダビで各2戦ずつ、計4戦で雌雄を決する“短期決戦”となった同シリーズでは、LMP2とLMP3、GTの各クラスのシリーズチャンピオンに、今年100周年を迎えるル・マン24時間レースの招待枠が付与される“特典”が設定されている。


 17日(土)から18日(日)の週末はシリーズの後半戦となり、ともにヤス・マリーナ・サーキットが戦いの舞台に。土曜の第3戦では荒れたオープニングラップに始まり、レース序盤に起きたフォーミュラ・レーシング60号車フェラーリ488 GT3エボのクラッシュによる赤旗中断を挟む波乱のレース展開のなか、6番手グリッドからスタートしたクール・レーシングの37号車オレカ07・ギブソン(アレクサンドレ・コイニー/マス・ヤコブセン組)が逆転優勝を飾った。


 2番手でチェッカーを受けたユナイテッド・オートスポーツの22号車オレカ07はレース後、規定のピット作業回数を満たさなかったとして35秒のタイム加算ペナルティを受け5位に後退し、これに替わって姉妹車の23号車(ユナイテッド・オートスポーツ)が2位表彰台を獲得した。3位にはDKRエンジニアリングの3号車オレカ07が入っている。


 LMP3クラスは2019-2020年のLMP3チャンピオンチームであるニールセン・レーシングの4号車リジェJS P320・ニッサン(トニー・ウェルズ/マシュー・ベル組)が今季初優勝をマーク。GTクラスではハウプト・レーシングチームの7号車メルセデスAMG GT3(アル・ファイサル・アル・ズベイル/ルカ・ストルツ/マーティン・コンラッド組)が同じくシーズン初勝利を収めている。

2023年AsLMSアジアン・ル・マン・シリーズ第3戦アブダビのスタートシーン
2023年アジアン・ル・マン・シリーズ第3戦アブダビ 決勝結果(PDFが開きます)


■タイトル目前で……トラブルに泣いたインターユーロポル


 前日に引き続きヤス・マリーナ・サーキットで行われた18日(日)の最終戦は、予選9番手からジャンプアップを果たした22号車オレカが序盤のレースリーダーに。その後インターユーロポル・レーシングの43号車オレカ07と、ニキータ・マゼピンを擁す99レーシングの98号車オレカ07が首位を争う展開となり、ドバイでの第2戦を制した43号車が先行した状態でレース終盤を迎える。


 このままの順位なら43号車がLMP2クラスのシリーズタイトルを獲得するという状況だったが、チェッカーまで“残り10分”というところでポーランドのチームを悲劇が襲う。43号車はギアボックスのトラブルで先頭集団から遅れ、最後はガレージでレース終了を見届けることになったのだ。


 インターユーロポルの脱落とほぼ時を同じくして、トップに浮上した前戦のウイナー37号車にはピットストップ時間の不足を理由とするストップ・アンド・ゴーペナルティが下る。これによりニコラ・ラピエールが率いるチームは3番手に後退したため、DKRエンジニアリングの3号車オレカ07が残り5周で首位に浮上することとなった。


 サリ・ヨルック/チャーリー・イーストウッド/アイハンカン・グーベン組の3号車はそのままトップチェッカーを受け、第4戦アブダビの勝者になると同時に、2023年のAsLMSシリーズチャンピオンを獲得。今年6月に行われるル・マン24時間100周年大会への自動エントリー権を獲得した。


 98号車オレカ07は、DKRチームにわずか1秒903届かず2位フィニッシュ。3位には2度のペナルティを受けた37号車オレカ07が入っている。


 LMP3クラスは、グラフ・レーシングの8号車リジェJS P320・ニッサン(ファブリス・ロッセロ/シャビエル・ロベラス/フランソワ・エリオー組)が後続を引き離してトップチェッカー。この勝利でLMP3クラス・シリーズチャンピオン獲得を決めた。


 GTクラスではHRTの7号車が2連勝を果たしたが、タイトルは開幕2連勝を飾り今戦でもクラス2位となったワーケンホルスト・モータースポーツ34号車BMW M4 GT3(チャンドラー・ハル/ニッキー・キャツバーグ/トーマス・メリル組)の手に渡っている。


 日本勢は、木村武史率いるCar Guyの57号車フェラーリ488 GT3エボが第3戦でクラス10位、翌日の最終戦を同14位でフィニッシュした。D’Station Racingの星野敏/藤井誠暢/チャーリー・ファグ組77号車アストンマーティン・バンテージGT3は、第3戦をクラス6位、第4戦はアクシデントに巻き込まれリタイアとなっている。

Car Guyの57号車フェラーリ488 GT3エボ
GTクラスでシリーズチャンピオンを獲得したワーケンホルスト・モータースポーツの34号車BMW M4 GT3
2023年アジアン・ル・マン・シリーズ第4戦アブダビ 決勝結果(PDFが開きます)


■AsLMSアジアン・ル・マン・シリーズ 2023年シリーズチャンピオン
































ClassNo.TeamCarDriver
LMP23DKRエンジニアリングオレカ07・ギブソンS.ヨルック
C.イーストウッド
A.グーベン
LMP38グラフ・レーシングリジェJS P320・ニッサンF.ロッセロ
X.ロベラス
F.エリオー
GT34ワーケンホルスト・モータースポーツBMW M4 GT3C.ハル
N.キャツバーグ
T.メリル

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