JOTAがアブダビ戦連勝も、Gドライブ戴冠。木村武史組が最終戦でGTクラス制す/AsLMS

2021年2月22日(月)13時23分 AUTOSPORT web

 全4戦で行われているAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズの後半ラウンドが2月18〜20日、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで行われ、JOTAの28号車オレカ07・ギブソン(ショーン・ゲラエル/トム・ブロンクビスト組)が第3戦、第4戦のウイナーとなった。その一方で、チャンピオンシップはドバイで開幕2連勝を飾ったGドライブ・レーシングの26号車アウルス01・ギブソンを駆るヤイフェイ・イー/フェルディナンド・ハプスブルク/レネ・ビンダー組の手に渡っている。


 ドバイとアブダビで各2戦ずつ、計4ラウンドで争われた2020/21年シーズンのアジアン・ル・マン。世界三大レースのひとつに数えられるル・マン24時間レースへの自動招待枠を懸けた戦いは、新型コロナウイルスの影響で当初予定されていたシーズンカレンダーから大幅にスケジュールが見直され、2月中旬にアラブの2地域で短期集中的に開催されることとなった。


 開幕2戦からの連戦で迎えた第3戦、第4戦の舞台はF1開催地として知られるアブダビ、ヤス・マリーナ・サーキットだ。18日(木)に走行がスタートした今戦は翌19日(金)に予選が行われ、Gドライブ・レーシングの25号車アウルス01・ギブソンが第3戦のポールポジションを獲得。姉妹車で2連勝中の26号車アウルスが3番手となり、その間にフェニックス・レーシングの5号車オレカ07・ギブソンが割って入った。


 同日夕方にスタートが切られた4時間の決勝レースでは前述の3台がトップ争いを繰り広げるが、これに木曜日に行われたプラクティスでのクラッシュから復帰したJOTAのマシンが加わり4台での争いに発展する。


 レースはセーフティカー(SC)やフルコース・イエローの導入によってポジションがシャッフルされる展開となるなか、タイミングよくピットストップを行った28号車オレカがリードを築くと2、3位となったGドライブ勢をラップダウンし、114周目にトップチェッカー。今季初優勝を飾り反撃の狼煙を上げた。


 LMP3クラスは予選6、7番手に甘んじたニールセン・レーシング勢が逆転劇をみせてワン・ツー・フィニッシュを達成。コリン・ノーブル/トニー・ウェルズ組9号車リジェJS P320・ニッサンが僚友8号車リジェを従えクラス優勝を果たしている。
 
 GTクラスではGPXレーシングの40号車ポルシェ911 GT3 R(ジュリアン・アンドラウアー/アクシル・ジェフリーズ/アラン・フェルテ組)が第2戦に続く連勝を記録し、GTアマクラスでもリナルディ・レーシングの66号車フェラーリ488 GT3(クリスチャン・フック/マヌエル・ラック/パトック・クジャラ組)が開幕からの連勝を「3」に伸ばした。


 GTクラスに参戦している日本勢は、星野敏/藤井誠暢/トム・ギャンブル組77号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3(D’Station Racing)のクラス7位/総合18位が最上位。根本悠生が参加するガレージ59の89号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3はクラス9位/総合20位、木村武史率いるCARGUY Racingがジョイントしたケッセル・レーシング・バイ・カーガイが走らせる57号車フェラーリ488 GT3はクラス13位/総合24位に終わった。

2020-21アジアン・ル・マン・シリーズ第3戦アブダビのスタートシーン
JOTAの28号車オレカ07・ギブソン
ニールセン・レーシングの9号車リジェJS P320・ニッサン
GPXレーシングの40号車ポルシェ911 GT3 R


■ル・マン24時間に招待される6チームが決定


 開幕2連勝に続き、第3戦では2位フィニッシュを飾った26号車アウルス組がランキング首位で迎えた最終戦は、20日(土)16時10分に決勝の4時間レースが幕を開けた。


 予選で僚友25号車アウルスとともにフロントロウを独占したGドライブの26号車はタイトル獲得に向け好スタートを切るが、レース序盤に入ったSCよってアドバンテージを奪われ、2度目のSC出動時のピットストップではJOTAに逆転を許してしまう。


 終盤、ポジションを落としていた28号車オレカはブロンクビストの力走でふたたび首位に返り咲くと、最終盤まで25号車アウルスとのトップ争いを繰り広げながら最後は0.422秒差でライバルを振り切って連勝を飾った。


 フェニックス・レーシングの5号車オレカが3位表彰台を手にし、ランキングリーダーの26号車アウルスは4位でフィニッシュ。この結果、Gドライブのイー/ハプスブルク/ビンダー組のシリーズチャンピオン、ならびにル・マン24時間への参戦権獲得が決定した。


 LMP2アマクラスは4連勝となったEraモータースポーツの18号車オレカ07・ギブソン(アンドレアス・ラスカラトス/カイル・ティリー/ドワイト・メリマン組)が戴冠。LMP3クラスはユナイテッド・オートスポーツ勢が強さを発揮し23号車、3号車、2号車によって表彰台を独占してみせた。タイトルとル・マンへの切符は今戦で3勝目をマークした23号車リジェJS P320・ニッサン(マヌエル・マルドナド/ロリー・ペンティネン/ウェイン・ボイド組)が手にしている。


 日本勢も参戦するGTクラスではスタート直後にアクシデントが発生し、第3戦ウイナーの40号車ポルシェが戦線離脱。また、AFコルセの51号車と54号車の同士討ち、GTアマクラスでもフェラーリどうしの接触があるなど波乱の展開に。


 そんななかレース終盤にポディウム圏内に進出したケッセル・レーシング・バイ・カーガイの57号車フェラーリは、フィニッシュまで残り8分となったタイミングで、同クラスのマシンの中で最後にスプラッシュ・アンド・ゴーを敢行する。この戦略が見事はまりインセプション・レーシングの7号車マクラーレン720S GT3の抑えてクラス優勝を飾った。


 しかしながら、ル・マンへの自動エントリー権が与えられるランキング4位以内には惜しくも食い込めず。招待枠は開幕戦ウイナーでクラスチャンピオンとなったプレコート・ハーベス・モータースポーツ以下、GPXレーシング、リナルディ・レーシング、インセプション・レーシングの計4チームが獲得している。
 
 第4戦における他の日本勢はD’Station Racingの77号車アストンマーティンがクラス7位/総合20位、根本もドライブした89号車アストンマーティンはクラス10位/総合23位という結果となった。

Gドライブ・レーシングの26号車、25号車アウルス01・ギブソン
D’Station Racingの77号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3
ガレージ59の89号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3
2020-21アジアン・ル・マン・シリーズ第3戦アブダビ 決勝結果(PDF)
2020-21アジアン・ル・マン・シリーズ第4戦アブダビ 決勝結果(PDF)

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