【F1テスト新車情報:フェラーリ】隠し道具『Sダクト』を筆頭にユニークな空力アイテムを採用したSF-23

2023年2月24日(金)13時28分 AUTOSPORT web

 2月14日の新車発表会で、ファクトリーに併設されたプライベートコースのフィオラノ・サーキットを走ったスクーデリア・フェラーリの2023年型マシン『SF-23』。プレシーズンテストに登場したSF-23は、フィオラノを走ったときには気が付かなかった隠し道具を持ち合わせていた。

フェラーリSF-23のサイドポンツーン


 それは通称『Sダクト』と呼ばれる空力システムだ。その仕組みは以下のとおり。

『Sダクト』を利用した空気の流れのイメージ


 モノコックの両端に取り付けられたインレットから空気を取り込み、モノコックの中にあるS字型のトンネルを通過して、サイドポンツーン上面のアウトレットから排出するというものだ。

矢印先の穴が空気を取り込むインレット


 上の写真の矢印先がインレット。

黒いルーバーの上部に設置されたアウトレットから取り込んだ空気を排出する


 こちらがアウトレットだ。


 Sタクトの狙いは、サイドポンツーン上面の空気の流れを加速させ、フェラーリが採用しているバスタブ型コンセプトのパフォーマンスを上げることだ。


 Sダクトはモノコックが特殊な形状となっているため、ほかのチームがこのアイテムを採用するためにはモノコックを作り直さなければならない。だが、現在はコストキャップ(予算制限)があるため、シーズン中の変更は事実上、不可能になっている。


 フェラーリはこのSダクト以外にもユニークな空力アイテムを採用してきた。それはフロントウイングに搭載された5つのスロットギャップセパレーターだ。

SF-23のフロントウイングに搭載されたスロットギャップセパレーター


 これは2022年の第19戦アメリカGPでメルセデスが導入しようしていたもので、合法性に疑問が生じたため、土壇場で自主的に採用を取りやめたデザインだ。


 このスロットギャップセパレーターは「機械的、構造的または計測的な理由でのみ」装着することができると定められていたが、FIA国際自動車連盟は「機械的、構造的または計測的な理由でのみ」を定義することが不可能と判断し、2023年からその部分を削除した。そのため、今後はフェラーリ同様、ライバルチームがスロットギャップセパレーターを採用してくる可能性が高い。


AUTOSPORT web

「フェラーリ」をもっと詳しく

「フェラーリ」のニュース

「フェラーリ」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ