トムス加入で注目集まる坪井翔「正直、ウエットで走りたかった」。ホンダ勢2チームを警戒

2024年2月25日(日)17時51分 AUTOSPORT web

 2月21〜22日に鈴鹿サーキットで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権の公式合同テスト。1日目はあいにくの雨模様となったが、2日目は天候が回復し各車ともドライコンディションでのセットアップ確認等ができた。シーズン前にわずか2日間しかない走行機会であること、また今年はドライバーの移籍など体制変更したチームも多いことから、大半の陣営からは「ドライで試したいことが多い」といった類コメントが、テスト前から聞かれていた。


 そのため、2日目のコンディション回復をポジティブに捉える陣営が多かった一方で「ウエットコンディションでもっと走りたかった」と語ったのが、今季VANTELIN TEAM TOM’Sに移籍した坪井翔だ。


■「『これで大丈夫だ!』と思った瞬間にやられる」


「(2日目)午前のアタックは5番手でしたけど、トラフィックもそうですし、アタックに入る周回数とか、うまくいっていなかったところもありました。そこまで問題はないかなと思います」と、坪井はドライコンディションでの状況を振り返る。


 昨年12月の合同テストでも1日目にトップタイムを記録するなど、ドライに関してはある程度自信を持っているようだだが、「ドライでも速い人たちはやっぱり速いので、その中で一歩でも抜け出られる何かを見つけられたら良いなと思ってはいるのですが……ドライよりウエットで走りたかったですね」と、話題はウエットコンディションに集中した。


 実際にタイムリザルトをみると、ドライコンディションとなった2日目の午前・午後ともにトップから0.4秒遅れの5番手タイムを記録していたが、ウエットコンディションとなった1日目は両セッションともにトップから1.7秒の差がついていた。本人としても手応えは良くなかったようだ。


「周りの状況が分からないので一概には言えないですけど、明らかに乗ってるフィーリングが悪かった。そこを何とかしたかったというか、『ある程度(原因は)これだよね』っていうのを仮想では見つけられたとしても、本当にそうだったかは実装して走ってみないと分からない部分もあるので、『確実にこれだったよね』っていう答えを見つけてシーズンを迎えたかったなという部分もあります。それをテストできなかったっていうのがすごく残念だったなという感じですね」


 そう語った坪井は、開幕前のテストで常に上位につけていたTEAM MUGENとDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの2チームは意識している様子で「この2チームはウエットでもドライでも速そうで、総合力では高いのかなと思っているので、なんとかトヨタ勢としてはそこに負けないように頑張らないといけないのかなと……やることは山積みかなと思っています」と語る。


「ドライコンディションに関しても、いつも僅差のなかで一歩抜け出るのは難しいと思いますけど、MUGENはそういうことができたからチャンピオンを獲り続けているところもあるので、僕たちがそうなれるようなものを見つけられたら良いなと思います。いずれにしても、『これで大丈夫だ!』と思った瞬間にやられると思うので、もっと良くなる何かを探して追い求めていかないとチャンピオンはないのかなと思います」と、危機感を強めている表情が印象的だった。

2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト 坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)


 同様に、2日間のテストを終えて「(ウエットでは)ちょっとピリッとしなかったですね」と苦い表情を見せたのは、今季坪井の36号車を担当する小枝正樹エンジニアだ。


「ドライに関してはこの間(昨年12月のテスト)も含めて、それなりのところは確認できていますけど、ウエットでは少し合わせ切れていないというか、掴みきれていないところがあるので『どうしようかな……』というところではあります。本当は2日目のセッションでもいろいろ見たかったところはありました」


 ウエットでの課題はあるにせよ、昨年12月のテストでもいきなりトップタイムを叩き出す速さをみせていた坪井陣営。宮田莉朋が2023年にチャンピオンを獲得したマシン&体制に、昨年3度の2位表彰台を記録した坪井が乗るということもあり、現状では他チームからもかなり警戒されている様子だ。


 3月から開幕する2024シーズンへの期待も高まる一方だが「余裕はないですし、別に去年だって余裕があったわけではなくて、その時々でやれることをやっていただけで、決してずば抜けて速かったというわけではないです」と小枝エンジニア。


 ただ、ライバル陣営の速さは気になっている様子で「なかでもダンデライアン勢はウエットもドライも速かったですね。何か良いところを見つけたのか……いずれにしても最終的には(開幕戦で)フタを開けてみないと分からないですね」と語っていた。

2月21〜22日に行われたスーパーフォーミュラ鈴鹿合同テストの様子


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