巨人を浮上させられるか 注目集めるデーブ大久保氏の打撃理論とは

2023年2月25日(土)19時0分 ココカラネクスト

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 2月から始まったプロ野球春季キャンプも、オープン戦に突入。今後は40日余りに迫った開幕に向け、各球団、選手の見極め含め、調整を続けていく。

3年ぶりのリーグ優勝を目指す巨人ではポスト坂本の呼び声高い、ドラフト4位ルーキーの門脇誠(22=創価大)や楽天から現役ドラフトで加入したオコエ瑠偉(25)などイキのいい新戦力の評判も伝わってくる。これら選手をたばねる新任の大久保博元打撃チーフコーチの手腕にも注目が高まっている。

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 今春のキャンプでは若手・ベテラン・助っ人関係なく、全員が朝7時からグラウンドで汗を流した。そのアーリーワークの発案者が大久保コーチだ。

 現役引退後、西武、楽天で指導者として多くの選手たちを育成してきた同氏だが、中でもその実績として評価されているのが、西武・中村剛也内野手(39)の育成だろう。

 槙原寛己氏のYouTubeチャンネル「ミスターパーフェクト槙原」にゲスト出演した大久保氏は、中村の育成を含めた自身のコーチング術について明かしている。

 これまで歴代3位となる6度のホームラン王と4度の打点王を獲得するなど、球界屈指の長距離砲として活躍する中村。

 2005年には22本塁打を放ち、頭角を示し始めたものの、翌2006年、2007年と不振に陥った。

 そんな中村の前に現れたのが2008年から西武で打撃コーチを務めた大久保氏だった。よく中村を覚醒させたといわれるが、これについては

「勘違いして欲しくないのは、僕が育てたわけではなく、1番は渡辺久信監督のおかげなんです。目をつぶってくれたり、使い続けてくれましたから」

 と、あくまでも当時の監督であった渡辺氏の力が大きかったと主張。

 その上で、中村に対する自身の指導について、まず最初に着目したのが、「体重移動」だったという。

「構える際、僕らは二足歩行をする人間なので、基本的に一本足というのは怖いわけなんですよ。なるべく一本足になりたくない。大谷翔平選手が基本ノーステップで打ってますけど、あれが1番打ちやすいし、ミート率も上がる。
でも、日本人はそもそも骨盤のつくりの影響などで、蹴り足が弱いので、ステップでタイミングを取らざるを得ないんです。その代わりミート率は下がる。
じゃあどっちをとりますかとなった際に、おかわり(中村)の場合は、ミート率を上げないと試合に使ってもらえないんですよね。でもそうすると体重移動ができない構えになってくるので、まずはそこの理論について教えました」

 長打力が持ち味の中村にとって、いかに体重移動をスムーズにおこない、ボールに移すかが重要になってくる。体重移動の考え方を教えたのち、大久保氏が口にしたのが、本人に合った打ち方をすることだ。

「打ち方を教えるとしても、それが全員には合うわけではない。本人に合う打ち方をすることが大切です。そこで大事になってくるのは、打席内で奥行きを作ること。その奥行き内で対応するために、中村には打席の前で打つことを覚えさせました。そうすると、今まで一生懸命窮屈そうに奥で打っていたのが、ポイントを前で打つことによって、柵越えが連発したんですよね。

 でも人って、アドバイスをした時に、一生物として受けとるか速効性のあるものを受け取るかとした時に、大体速効性を選ぶんですよね。なので、本人にやらせた時に結果が出るものを探すことが1番重要だと思います」

 大久保氏のコーチングが実り、同氏のコーチ初年度の2008年、中村の打撃は大きく変化、プロ7年目にして46本塁打と40本超えを記録し、自身初のタイトルとなる本塁打王を獲得。その後も球界を代表する長距離砲の道を歩んでいる。

 試合で使い続けた渡辺監督の力も大きかったが、大久保氏の指導は間違いなく中村の野球人生を変えたと言っても過言ではないだろう。

 そんな大久保氏が、今度はここ数年低迷する巨人の選手たちをどう覚醒させていくのか。

 今後もその手腕に注目が集まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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