白銀の世界でWRC第2戦アークティックが開幕。勝田貴元がシェイクダウンで3番手
2021年2月26日(金)20時59分 AUTOSPORT web
2月26日、フィンランド北部の北極圏に掛かるエリアで開催されるWRC世界ラリー選手権第2戦アークティックが、同日朝のシェイクダウンで幕を開けた。デイ1の競技を前に行われたこのセッションではオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)がベストタイムをマークしている。
フィンランド北部のロバニエミを拠点に、26日(金)から3日間に渡って争われるアークティック・ラリー・フィンランドは、雪と氷に覆われたシーズン唯一のフルスノーラリーだ。
全日程おいてスパイクが埋め込まれた、ピレリ製のスタッドタイヤが使用される今大会は、新型コロナウイルスの影響で中止となったラリー・スウェーデンの代替戦として行われる。
その初日、デイ1の競技を前に、選手たちはロバニエミ近郊のヴェニバーラで実施されたシェイクダウンに臨み、全長5.69kmのコースでマシンの動きやセッティングの確認を行っていく。氷点下2度、薄い霧がかかり視界がやや遮られるなか始まったセッションで、まず存在感を見せたのは今戦の優勝候補のひとりであるカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)だった。
20歳のフィンランド人が記録したタイムは2分40秒5。これをクレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC)が2度目の走行で破ると、チームメイトのタナクとティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が3回目のアタックで大幅に更新。タナクは2分35秒4までタイムを縮めてみせる。
同じく3度目の走行ではトヨタ育成の勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)が2分39秒8をマークして3番手に。最終的にはピエール-ルイ・ルーベ(ヒュンダイi20クーペWRC)が勝田と同タイムで4番手、僅差でブリーンが続くトップ5となっている。
トヨタワークス勢は6番手となったロバンペラが最上位。前戦ウイナーのセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)は、今戦がWRC最高峰クラスのデビュー戦となるオリバー・ソルベルグ(ヒュンダイi20クーペWRC)、Mスポーツのガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)に次ぐ9番手。エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)は3回目の走行でスピンもあり12番手に留まった。
なお、2番手タイムを記録したヌービルも、2度目の走行でスタックを喫し約20分を失った。しかし、ヒュンダイi20クーペWRCにダメージはないという。
WRC第2戦アークティックのデイ1はこのあと15時過ぎ(日本時間22時過ぎ)から今大会最長、全長31.05kmのSS1が行われ、日没後の18時38分(日本時間25時38分)からSS1の再走ステージとなるSS2が行われる予定だ。
■2021年WRC第2戦アークティック シェイクダウン結果
Pos. | No. | Driver | Machine | Time |
---|---|---|---|---|
1 | 8 | O.タナク | ヒュンダイi20クーペWRC | 2’35.4 |
2 | 11 | T.ヌービル | ヒュンダイi20クーペWRC | 2’36.1 |
3 | 18 | 勝田貴元 | トヨタ・ヤリスWRC | 2’39.8 |
4 | 7 | P-L.ルーベ | ヒュンダイi20クーペWRC | 2’39.8 |
5 | 42 | C.ブリーン | ヒュンダイi20クーペWRC | 2’39.9 |
6 | 2 | O.ソルベルグ | ヒュンダイi20クーペWRC | 2’40.0 |
7 | 69 | K.ロバンペラ | トヨタ・ヤリスWRC | 2’40.5 |
8 | 44 | G.グリーンスミス | フォード・フィエスタWRC | 2’41.2 |
9 | 1 | S.オジエ | トヨタ・ヤリスWRC | 2’41.3 |
10 | 3 | T.スニネン | フォード・フィエスタWRC | 2’42.7 |
11 | 20 | A.ミケルセン(WRC2) | シュコダ・ファビア・ラリー2エボ | 2’45.0 |
12 | 33 | E.エバンス | トヨタ・ヤリスWRC | 2’45.1 |
13 | 12 | J.トゥオヒノ | フォード・フィエスタWRC | 2’46.4 |