「理解できない」元ライト級王者の井上尚弥への“挑戦意思”に米識者が反発「イノウエとパッキャオは同じじゃない」

2024年2月29日(木)18時0分 ココカラネクスト

文字通り敵なしの強さを誇る井上。そんな日本の偉才にはあらゆる話題を生み出す。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext、(C)Getty Images

 当代最強とも目される井上尚弥(大橋)。昨年12月にマーロン・タパレス(フィリピン)を打ち破り、2階級での4団体統一を果たした彼の衰え知らずの強さは、ありとあらゆる議論を巻き起こす。

 目下、SNSで小さくない話題となったのは、元WBC世界ライト級王者のシャクール・スティーブンソン(米国)が“言った”とされる投稿だ。米ボクシング専門ポッドキャスト番組『IFL TV』が公式X(旧ツイッター)で「ライト級にいるスティーブンソンがイノウエとの対戦に興味を抱き、その意思を示している」と投稿。「果たして、どちらが勝つと思う?」と呼びかけた。

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 こうした呼びかけがされるのは、いまに始まったことではない。昨年7月にスーパーバンタム級における初陣で、スティーブン・フルトン(米国)を撃破した井上のPFP(パウンド・フォー・パウンド)における評価は各国メディアで急上昇。ファンや一部のメディアはもちろん、ついには現役選手までもが、「誰がイノウエを倒せるか?」という論争を展開してきた。

 ただ、3階級も差があるスティーブンソンに代表されるように、そうした論争は非現実的なものが大半だ。ともすれば、危険だとも言えるものすらある。ゆえに勝負を煽るような『IFL TV』の投稿には反発の声が相次いだ。

 元プロボクサーのホセ・ルイス・カスティージョJr.氏が「イノウエはパッキャオのように別の階級でも支配的になるだろう。ただ、なぜシャクールがあんなことをするのか理解できない」と指摘。さらに米老舗誌『The Ring』で編集長を務めるダグラス・フィッシャー氏が「イノウエとパッキャオは同じじゃない」と論じ、「ライト級の選手が軽々しくスーパーバンタム級の選手を呼びつけること自体が不思議」と、スティーブンソンに疑問を投げかけた。

「イノウエ自身もスーパーフェザー級を超えられるとは思っていない。そしてパッキャオは数多のエリートボクサーの中でも、一生に一度の天才だ。まるでヘンリー・アームストロングのようだった。アームストロングは、ウィリー・ペップのようなフェザー級の選手をわざわざ自分の階級に呼びつけるような真似はしなかった」

 昨今の格闘技界はSNSやYouTubeといったコンテンツの発展によって、“自分をアピールしたもん勝ち”という風潮はある。しかし、井上のような絶対王者への敬意に欠ける行為は、エンターテインメントに溢れたアメリカでも認められはしない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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