【クラシコ回顧録/レアル編】大差がついた「エル・クラシコ」……レアルがライバルにサイクルの終焉を突きつける

2019年3月1日(金)20時6分 サッカーキング

2日の「エル・クラシコ」を前に、過去の名勝負を振り返ってみよう [写真]=Getty Images

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 世界が注目する一戦「エル・クラシコ」が、2日(日本時間4時45分)に迫っている。リーガ・エスパニョーラ第26節の舞台は、レアル・マドリードの本拠地『サンティアゴ・ベルナベウ』。両雄は勝ち点9差の状態で相まみえる。

 2月27日のコパ・デル・レイ準決勝2nd legでは、バルサが3−0でレアルに勝利。2試合合計スコア4−1でライバルを蹴落とし、同大会の決勝に駒を進めた。3日間でクラシコ2連戦という特異な状況が、2日に行われるリーガクラシコのスパイスとなっていることは間違いない。

 実力伯仲の両チームがプライドを懸けてぶつかり合う「エル・クラシコ」は、得てして接戦になることが多い。だが、過去には大差がついた試合も存在する。

 そこで今回は、レアルが圧倒的な勝利を収めた「エル・クラシコ」を紹介。2日の試合を前に、“伝統の一戦”の凄みを感じておこう。

■2007−08シーズン
2008年5月7日 第36節
レアル・マドリード 4−1 バルセロナ

 シーズン開幕前、レアルは積極的な補強を行っていた。夏の移籍市場でクリストフ・メッツェルダー、ペペ、ガブリエル・エインセ、ヴェスレイ・スナイデル、アリエン・ロッベン、ハビエル・サビオラらを獲得。ベルント・シュスター監督に率いられたチームは、開幕節の「マドリード・ダービー」でアトレティコ・マドリードを2−1で下すと、第2節にして首位に浮上。その後も順位を落とすことなく、シーズンを突っ走る。

 一方、バルサのフランク・ライカールト監督は苦しいチーム運営を強いられていた。攻撃の柱であるサミュエル・エトーが、シーズン開幕前のジョアン・ガンペール杯で負傷。夏の移籍市場で獲得したティエリ・アンリがその穴を埋めるべく奮闘するも、特異なバルサシステムへの適応に苦労する。ロナウジーニョやデコら主力選手のコンデション不良、リオネル・メッシの負傷も、ライカールトにとっては悩みの種だった。シーズンの大半は2位をキープしたものの、首位レアルとの勝ち点差は徐々に広がっていった。

 第35節のオサスナ戦を2−1でものにしたレアルは、2006-07シーズンに続いてリーガ連覇を成し遂げた。レアルがタイトルを手にしたため、オサスナ戦の3日後に控える「エル・クラシコ」に懸かっているものは“名誉”のみ。しかし、宿命のライバルを相手に、王者レアルが気を抜くことはなかった。

 バルサの選手たちがパシージョ(花道)を作るなか、優勝を決めたレアルの選手たちがピッチに入場する。そしてキックオフするや否や、レアルは一気にバルサを押し込んでいった。

 12分には、早くもレアルが先制点を手にする。ラウール・ゴンサレスがミドルレンジから左足を振り抜き、ネットを揺らした。攻勢を強めるレアルは、20分に追加点をゲット。グティがフリーキックを蹴ると、これをロッベンが頭で合わせた。

 動きにちぐはぐさが目立つバルサは、レアルの波状攻撃を押しとどめることができない。攻撃に転じてもパスがつながらず、危険なボールの奪われ方をしてはカウンターを浴び続けた。

 ハーフタイムが明け、バルサの状況はさらに悪化していた。後半あたまから投入されていたシルビーニョが負傷退場すると、代わって入ったエジミウソンも試合の流れに乗れない。すると64分、レアルに決定的な3点目が生まれる。マアマドゥ・ディアッラのパスを受けたゴンサロ・イグアインが冷静にシュートを決めた。

 79分にはルート・ファン・ニステルローイがペナルティキックを成功させ、『サンティアゴ・ベルナベウ』のボルテージは最高潮に達する。バルサは試合終了間際にアンリがゴールを決めるも、まさに「焼け石に水」だった。

 4−1。試合終了の笛が鳴った瞬間、レアルにとっては歓喜の、バルサにとっては屈辱のスコアが電光掲示板に表示されていた。ライカールトの手腕とロナウジーニョの魔法によって一時代を築いたバルサは、「エル・クラシコ」という唯一無二の舞台で、サイクルの終焉を突きつけられたのだった。

文=松本武水
写真=Getty Images

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