ホンダの二輪ワークスチーム復活は「魅力あるレースをやるため」と山本MS部長

2018年3月5日(月)20時8分 AUTOSPORT web

 都内で行われたホンダの取材会で、ホンダワークスチーム復活の理由は「魅力あるレースをやるため」と語ったホンダモータースポーツ部の山本雅史部長。全日本ロードレース選手権JSB1000と鈴鹿8時間耐久ロードレースにチームHRCとして挑むその意味とは。


 ホンダワークス復活の構想は2017年から持っていたと語る山本部長。「1年前に『ワークス活動をやならいんですか?』という質問をされました。それに対して僕が『検討してます』と答えましたが、その通りで検討していました」


「二輪のモータースポーツ活動を見ていて1番思うのが、モーターサイクルが日本でもっと活性化できればいいということで、魅力あるレースをやるためにもまずHRCを復活させてホンダ自らが携わっていく。そうすることで、今まで見えてなかったものがより見えてくるんじゃないかと」


「(全日本と鈴鹿8耐でワークス参戦していなかった)10年のブランクの間で、ハルク・プロさんやモリワキさんも含め大きく協力してくれましたが、それを超えたなかで、HRCが先頭を切って、自分たちが自ら手をくだして全日本と鈴鹿8耐を戦いたいということでHRCワークスを復活させました」


 チームHRCはエースライダーに高橋巧を起用。チームを指揮するのは元MotoGPライダーで鈴鹿8耐で優勝5度の最多記録を持つ宇川徹監督だ。ふたりの起用理由について山本部長は次のように語る。


「巧君は、非常に厳しい環境のなかJSB1000で勝ち抜いたという実力を持っている。今のホンダのライダーだと巧君しかいないなと思い選びました」


「宇川君については、私は四輪は詳しいけど二輪はそんなに詳しくない。そんな私でも知っているぐらい鈴鹿8耐マイスターで5回の優勝経験を持っている。宇川くん自らがライダーの経験を持っているということで、ライダーに非常に近いし、コミュニケーションを含めたところに期待しています」

10年ぶりにチームHRCとして全日本ロードと鈴鹿8耐に挑むホンダ


 鈴鹿8耐に関しては、MuSASHi RT HARC-PRO.Honda、MORIWAKI MOTUL RACING、そして二輪の世界耐久選手権(EWC)にフル参戦するTSRホンダのホンダ3強をベースにチームHRCを組み立てていくようだ。


「ハルク・プロさんとモリワキさんに関しては(鈴鹿8耐の)経験も豊富だし、昨年のバイクをベースにHRCとともにアップデートしてもらい、きっちりベースをかためる。正直、HRCが復活したからといってレースの世界は(すぐ勝てるほど)甘くない。ホンダは、ハルク・プロさん、モリワキさん、EWSにシリーズで出ているTSRに協力しています。この3強をベースにHRCがうまくリンクをしていきながら、巧君と現在選出しているライダー2人をうまく噛み合わせていければと思っています」


 ワークス復活により、マシン開発はチームHRCが中心となって行っていくことになるが、他のホンダ系チームへ供給するマシンはどうなるのか。「すべてのチームに同じタイミングで同じものを供給することはなかなかできない」と山本部長。


「常に日進月歩で新しいパーツを組み込んでいくと当然トラブルが出る。ライダーのインプレッションをもらって開発をすぐ回していくという形で、昨年までハルク・プロを中心にすすめてきていて、そこである程度決まった部品をモリワキさんやTSRさんに配っていました。それが今度、HRCが中心に開発を進め、出来上がった部品をハルク・プロさん、モリワキさん、TSRさんに渡すという形です」


 また、山本部長はホンダとしては使用するパーツや装備に大きな規制は課していないと述べ、最後に鈴鹿8耐に向けた思いを語った。


「昨年から若干システムが変わりました。モリワキさんはピレリタイヤ、それ以外はブリヂストンタイヤです。ブレーキなどいくつかの装備はライダーの好みなので、ホンダとして規制していない。チームHRCも宇川を中心にチャレンジングにやっていきますので、ハルク・プロ、モリワキ、TSRホンダのみなさんも個々にオリジナリティをもってチャレンジングにやってもらうというのが現状です」


「私の場合、当然(優勝してもらいたいのは)HRCと言わなきゃいけないのかもしれないけど、ホンダのどこが勝ってもいいと思っている。(鈴鹿8耐では)できれば1-2-3-4を獲りたい」


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