最速ゲーマーがジェンソン・バトンのGTチーム加入。マクラーレン720SでGTWCヨーロッパ参戦へ
2020年3月6日(金)10時46分 AUTOSPORT web
シミュレータードライバーの世界一を決定する大会のひとつ、ワールズ・ファステスト・ゲーマー・コンペティション(WFG)のシーズン2の勝者であるジェームズ・ボールドウィンは、クリス・バンコムとともにジェンソン・チーム・ロケット・RJNから2020年シーズンのGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWSに参戦する。
ジェンソン・チーム・ロケット・RJNは、元F1チャンピオンのジェンソン・バトンがRJNモータースポーツと共同設立したレーシングチームだ。このGTチームは昨年、ホンダNSX GT3 EvoをブランパンGTシリーズ(現GTワールドチャレンジ)に投じたが、2020年シーズンに向けてはマシンをマクラーレン720S GT3にスイッチすることを今年2月にアナウンスしている。
そんなジェンソン・チーム・ロケットRJNは今回、ゲーマー対リアルレーサーによるコンペティションで成功を収めたボールドウィンの起用を発表。今季のGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・エンデュランスカップの全5戦で彼を起用するとした。
また、これに合わせてチームの共同オーナーで、近年はストラッカ・レーシングやテンペスタ・レーシングで活躍していたバンコムがRJNに復帰することも決定した。これにより22号車マクラーレンに乗り込む3名のうち2名のドライバーが決定したが、3人目のドライバーでPro-Amラインアップの“プロ”はまだ確認されていない。
「GT3でレースをするというニュースを聞いた時はとても興奮した。本当にクールだと思ったよ!」と語るのは最速ゲーマーのボールドウィン。
「しかし同時に、僕はそれに圧倒されたくない。この機械を最大限に活用したいと思ったんだ」
「2020年に僕が期待していることは、できるだけ早く(現実世界のレース)に慣れること。クリーンで速くあること。そして、できればPro-Amクラスで優勝すること。それが目標でなければならないと思う」
「ワールズ・ファステスト・ゲーマー・コンペティションがなければ、僕はいまレースをしていないだろう。だからWFGに本当に感謝しているんだ」
「しかし、いま僕はそれを手に入れた。これからは夢として見続けるのではなく、ビジネスをしていく。なぜなら、それ(レーシングドライバーとして生きていく目標)が現実になる可能性があるからだ。そう遠くはないと思う。あとは本領を発揮するだけだよ」
「この機会を与えてくれたWFGとトルクEsportsに感謝している」
「スパ24時間のようなイベントでレースを戦ってきた経験豊富なチームに加わり彼らから学ぶことは、僕がこれまで抱いてきたあらゆる期待を上回るものだ」
ボールドウィンと、「まだマクラーレン720S GT3のステアリングを握っていない」というバンコムの両名は3月12〜13日、フランスのポール・リカールで開催されるオフィシャルテストデイズで初めてクルマをラップさせる予定だ。