WRC:2018年の全世界累計TV放送時間は過去最長の1万4208時間。日本はトップ6に食い込む市場に

2019年3月7日(木)13時36分 AUTOSPORT web

 セバスチャン・オジエ、ティエリー・ヌービル、オット・タナクの3人による僅差のチャンピオン争いが繰り広げられた2018年シーズンのWRC世界ラリー選手権。ニールセン・スポーツの調査によれば、昨シーズンの全世界累計テレビ放送時間が過去最長の1万4208時間に達したという。


 WRCでは2004〜12年まではセバスチャン・ローブとシトロエン、2013〜16年まではオジエとフォルクスワーゲンの組み合わせがシリーズを席巻してきた。


 しかし、フォルクスワーゲン撤退と新車両規定導入が重なった2017年から状況が一変。結果としてはオジエが連覇を遂げているものの、ヒュンダイ所属のヌービルや、トヨタのタナクが台頭し、2018年シーズンはチャンピオン争いが最終戦までもつれる結果となった。


 また、日本に関しては2017年にトヨタがシリーズ復帰を果たしたことで人気が再燃。2018年はトヨタがマニュファクチャラーズチャンピオンに輝いたほか、2020年に向けてWRC日本ラウンド“ラリー・ジャパン”復活へ向けた機運も高まったことで、一般メディアなどでも露出が増加している。


 シリーズ争いの激化と全世界的な人気の高まりもあり、2018年のテレビ放送時間は初めて1万4000時間を突破。2017年の1万3500時間から708時間ほど増えた計算で、5900時間だった2013年からは140%以上の急成長を遂げている。


 また年間の総視聴者数は、シーズン中に冬季オリンピックとサッカーのワールドカップが開催されたにもかかわらず、約8億人に到達したとのこと。これはWRCプロモーターがコマーシャル権を獲得した2013年比で36%増の数字だ。


 大会別では第1戦モンテカルロと第12戦スペイン、第13戦オーストラリアの視聴者率がもっとも高かったという。WRCプロモーターは、チャンピオン争いがもつれたことが、シリーズ終盤の視聴率上昇に寄与したと分析している。


 国別では、フランス、ポーランド、ベルギー、フィンランド、スペイン、そして日本がトップ6のTVマーケットだという。


 WRCプロモーターのオリバー・シースラは公式テストのWRC.comに「ここ数シーズン、WRCでは各ラウンドの勝者、そしてシリーズチャンピオンを予想できない戦いが展開されている。調査結果は、この展開をファンが楽しんでくれていることの証だ」と述べた。


「ステージへの出走順規定の変更や、パワーステージでボーナスポイントを獲得できるようにする施策も、ファンの興味獲得を後押ししていると思う」


「(2017年に登場した)新型WRカーでの戦いは、過去に類のないほど僅差になっている。昨年は5人のドライバーが勝利を挙げ、シリーズに参戦している4チームすべてが、少なくとも1勝を挙げたんだ」


 ニールセンの調査では、WRCに参戦している各自動車メーカーは1億ユーロ相当の宣伝効果を得たと分析しているほか、SNSなどでもWRCの人気が高まっていると分析している。

最終戦のラリー・オーストラリアは現地だけでなく、テレビを通じて全世界のファンがチャンピオンのゆくえを見守った


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