鈴鹿2輪合同走行、V10王者・中須賀克行が安定の速さでトップタイム!/全日本ロード

　ファン感謝デーに参加したチーム向けの2輪合同走行が3月7日（月）に行われた。1本目は午前9時から1時間のセッションとなったが、夜に降った雨の影響で路面は濡れており、中途半端なコンディションだったため、ほとんどのライダーがピットで待機。徐々に1台、また1台と走り出したが、目を慣らす程度の走行に止まっていた。YAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行と岡本裕生は出走しなかった。

　2本目は、待望のドライコンディションとなり一斉にコースイン。ほとんどのライダーが今シーズン初の本格的走行となるだけに、慎重にペースを上げていく。過去、このテストで転倒し負傷したこともある中須賀も例外ではなかった。

　しかし、2本目のセッションが半分を過ぎたところでシケイン進入で清成龍一（TOHO RACING）が転倒し、赤旗中断。その後、セッションは再開されるが、終了間際に名越哲平（SDG Honda Racing）が、清成と同じ場所で転倒。マシンのパーツがシケインに散らばり赤旗が提示され、そのまま2本目の走行は終了となってしまう。

　ここまででトップタイムをマークしたのは、ただひとり2分07秒台に入れた中須賀で2分07秒321というタイムだった。

　中須賀は「鈴鹿を走るのは、半年以上ぶりですし、このテストは僕にとっては“鬼門”とも言えるので、とにかく慎重に走りましたし、無事に終えられてホッとしています。新しいマップも試すことができましたし、鈴鹿2&4レースに向けて、今回走ることができたのは、大きかったと思いますし、いいテストになりました」と語った。

　2番手に日浦大治朗（SAKURAI Honda）が2分08秒734で続き、3番手に渡辺一樹（YOSHIMURA SERT MOTUL）が2分09秒734、4番手にF.C.C. TSR Honda Franceのマシンをテストした高橋裕紀が2分09秒484、5番手に名越が2分09秒585で続いた。

　久しぶりに全日本ロードJSB1000クラスにフル参戦する渡辺一樹は「バイクは、今まで乗ってきたものですが、今日は気温が低く、路面コンディションもよくなかったので確認程度に止めました。昨年までは、世界耐久で勝つために、みんなが乗りやすいバイク作りを考えていましたが、これからは、自分がいかに速く走ることがきるかを考えるために気持ちを切り換えるテストになりました」とコメントした。

　6番手にST1000クラストップとなる渡辺一馬（Astemo Honda Dream SI Racing）が2分10秒188をマークした。「昨年の最終戦以来の走行だったので、まずは目を慣らすところからでした。路面コンディションがよくなかったので、気をつけながらペースアップして、コースレコードの1秒落ちなら悪くないですかね。開幕戦に向けて気持ちもマシンも仕上げていきます」とST1000クラス2連覇を狙う渡辺一馬。

　YAMAHA FACTORY RACING TEAM入りした岡本裕生は、テストコースで1度だけ走ってから今回のテストを迎えていた。タイムは、2分10秒634で10番手となっている。

「バイクもタイヤもチームも、すべて変わったので、感触をつかむ程度でしたが、最高の環境で走れることを感謝しています。最後にタイヤを変えてコースインしたところで赤旗が出てしまったので、タイムは出せませんでしたが、一歩踏み出せたことは、うれしいですね。早くいい走りができるように限られた走行の中で、前進していきたいですね」と岡本。

　開幕戦モビリティリゾートもてぎまで、一カ月を切り、いよいよ全日本ロードレースのシーズン開幕が迫ってきた。開幕戦に先だって事前テストが3月23日（水）〜25日（金）に行われ、ここでの仕上がりが重要となってくるのは間違いない。その行方が注目されるところだ。

■2輪合同走行 フリー走行 1回目

■2輪合同走行 フリー走行 2回目