F2王者プルシェールがあわやの単独コースアウト。「ありえないポジション」でのレースに募る不安

2024年3月10日(日)21時12分 AUTOSPORT web

 2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権の第1戦鈴鹿。2023年FIA F2チャンピオンのテオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は途中のコースオフが響き、完走したドライバーの中では最下位となる18位でSFデビュー戦を終えた。


■「トップ10を争うのは、僕が望んでいることではない」


 前日の予選ではQ1Aグループで敗退、決勝を16番手からスタートしたプルシェールは、1周目の混戦でひとつポジションを落とし、17番手でレース序盤を進めた。そこから積極的に前のマシンを狙っていったが攻略することができず。12周目に大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)を1コーナーで抜いてペースを上げていこうとしたが、少し攻めすぎたのか16周目のNIPPOコーナーでコースオフを喫し、あわやスポンジバリアに接触しそうになった。


 クラッシュは回避できたものの、フロントウイングを破損してしまい、そのままピットイン。ここで義務となっているタイヤ交換も済ませてコースに復帰するも、最後尾から順位を上げることができず、18位でスーパーフォーミュラデビュー戦を終えた。


「現状のなかでベストは尽くしたけど、ものすごくフラストレーションがたまった」とレース後のメディアミックスゾーンでは、言葉少なめだった。


「人は誰でもミスをするし、その点でも僕は今日1回あった。それがなければ、少しポジションは良かったかもしれない。どうすればポイントを獲得できたか……チームとともに本気で解決策を見出さなければいけない。正直、ありえないポジションで今日はレースをしていたし、僕たちはそうしたいわけではない」と、肩を落とした。


 改めてレースを振り返ったプルシェールは「スタートはそこまで悪くなかったと思う。それよりも1周目が難しかった。タイヤのウォームアップに苦戦した。チームメイトも同じ症状で苦戦していたけど、凄く難しい1周目だった」とタイヤのウォームアップも課題となった様子。16周目のNIPPOコーナーについては「縁石に乗ったら、突然バランスが乱れた。気がついたらバリアの手前まで到達していた。幸いクラッシュせずに済んだけど、フロントウイングが壊れてしまった」と振り返った。


 FIA F2王者ということで、国内のみならず海外からも注目を集めていたSFデビュー戦。ただ、結果としては多くの人が期待していたものとはならず、ある意味で日本のトップフォーミュラの洗礼を受けたと言えるかもしれない。


「正直に言うと、今後が少し不安だ。僕はかなり頑張っているし、早く適応できていると思う。だけど、まだ努力をしないといけないところがある」とプルシェール。


「チームと協力して解決策を見つけ、クルマやタイヤについて、全員でより理解できるようにしていきたい。僕たちの今のペースは、狙っているところから外れている」


「現時点では、第2戦オートポリスでトップ5やトップ3に入るのは現実的ではないかもしれない。トップ10を争うことが目の前の目標になると思うが、それは僕が望んでいることではない。もっと良くなるように、チームにもプッシュしていく必要があると思う」


 思わぬ結果となったプルシェール。2カ月後の第2戦オートポリスでどこまで改善できるかが、チームにとっても急務となるだろう。

2024スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿 テオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)


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