【スプリングS】重賞初制覇を狙うキタサンブラック産駒が躍動ラスト11秒4!石橋騎手4週連続騎乗でメンタル安定「すごい動き」

2025年3月14日(金)6時5分 スポーツ報知

ピコチャンブラックは石橋を背に集中した走り(カメラ・荒牧 徹)

◆スプリングS追い切り(13日・美浦トレセン)

 G2の2レースの出走馬が13日、確定した。皐月賞トライアルの第74回スプリングS(16日、中山)は、ピコチャンブラックが美浦・Wコースで木曜追い。テンションの高さは見られず、4週続けてまたがった石橋脩騎手(40)=美浦・フリー=ら陣営は課題克服に手応えを示した。

 漆黒の馬体が躍動した。ピコチャンブラックは石橋を背に濃霧に包まれた美浦・Wコースの直線に姿を現すと、パワフルかつ、しなやかに四肢をたたきつけた。水分を含んで重くなった馬場にも手綱は最後まで動くことなく、単走で5ハロン69秒9—11秒4。集中力があり、活気も十分だった内容に上原佑調教師は「良かったです。ここ最近では一番リラックスしていて、やりたい調教ができました」と納得の表情を浮かべた。

 冷静さを保てるかが最大の焦点だ。前走のホープフルSは、1週前追い切りでびっしり負荷をかけたことでテンションが下がり切らず、本番直前にジョッキーがまたがると再びヒートアップ。道中は終始力んで、13着大敗に終わった。

 その点を考慮し、新馬戦1着、2戦目のアイビーS2着と好結果を残す石橋が4週連続で追い切りに騎乗。入念にメンタル面のケアに務めてきた。トレーナーは「普段からコンタクトを図って『そんなに頑張り過ぎなくてもいい』というのを教えてきました」と意図を説明。鞍上は「すごい動きでしたね。あとはメンタルだけ。そこが一番難しいところかも知れませんけど、厩舎が一生懸命やってくれています」と取り組みが実を結んできたことを強調した。

 父は10年前の勝ち馬キタサンブラック。「メリハリが出て、つくところに筋肉がついて体の成長はいい方向に向いています」と上原佑師は馬体の成長も感じ取る。もまれ弱さが残るだけに今回の少頭数も追い風になる。デビュー戦を7馬身差で圧勝とポテンシャルの高さは証明済み。平常心で臨めれば、皐月賞切符だけでなく、初の重賞タイトルにもグッと近づく。(石行 佑介)

スポーツ報知

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