J2札幌5戦目で初勝利 ハイプレスと攻撃陣の自在な動きで巻き返しへの第一歩
2025年3月16日(日)7時14分 スポーツ報知
札幌・岩政監督
◆J2第5節 札幌3—1秋田(15日・ソユスタ)
北海道コンサドーレ札幌が、5戦目で今季初勝利を挙げた。アウェー・秋田戦は前半15分、右太もも裏痛が癒え、3試合ぶり出場のMF青木亮太(29)のゴールで先制。同23分にはMF近藤友喜(23)が加点し、後半3分にはDF家泉怜依(25)が決めた。3人の今季初得点で得たリードを守り切り、3—1で勝利。クラブワーストとなる開幕からの連敗を4で止めた。今季から指揮を執る岩政大樹監督(43)にとって、札幌での初白星となった。
開幕から5戦目、ようやく岩政札幌に初勝利の瞬間が訪れた。試合終了時は表情を変えなかった岩政監督だったが、スタッフの祝福に相好を崩し、満面の笑みでイレブンを出迎え、握手を交わした。新天地で初めての白星も「選手たちがたくましかった。たくさん素晴らしいプレーが出て、ようやく殻を破ったなと思います」と奮闘をたたえることに終始した。
万策を尽くした。前節まで10失点の守備を固めるべく、本来はDFの岡田大和(23)を左ウィングバックに置いた。キャンプで徹底してきた高い位置から相手に重圧をかけ、秋田に自由を与えなかった。前線の3人は柔軟に位置を変え、敵DFを混乱させた。今季初めて先制し、加点してリードを守るという、理想的な形で勝ち点3につなげた。
J1鹿島で中心DFを務め、日本代表歴もある実績に選手が臆さぬよう、気配りもしてきた。赤池保幸ヘッドコーチ(50)が「鹿島の時に短髪で少し怖いイメージがあったので、意図的にちょっと長髪にしてると聞いた」と証言するように、見た目から接しやすい環境をつくった。負けが続いても感情をあらわにせず、選手を信じて手にした1勝。岩政監督は「自分たちが願っている勝ち点には遠く及んでいないので。ここを1歩目にして、2歩目、3歩目といきたい」と前を見た。余韻には浸らず、巻き返しへの道だけを思い描いた。