名古屋28季ぶり開幕6戦未勝利…泥沼の理由は”守乱” 次戦以降はJ3、昇格組相手に勝利厳命 長谷川健太監督の進退問題に発展の可能性も
2025年3月16日(日)5時30分 スポーツ報知
名古屋・長谷川健太監督
◆明治安田J1リーグ▽第6節 東京V2—1名古屋(15日・味の素スタジアム)
名古屋は東京Vに1—2で逆転負けし、最下位を抜け出せなかった。開幕6戦未勝利(2分け4敗)は、6連敗だった1997年以来、28季ぶりのクラブワーストタイ記録。J1通算258勝を誇る長谷川健太監督(59)の進退問題に発展する可能性も出てきた。
名古屋が泥沼から抜け出せない。前半21分に第2節神戸戦以来となる先制点を奪うも、後半にあっけなく2発を食らって逆転負け。長谷川監督は「選手は勝つために必死にやってくれている。監督として責任を感じる」と肩を落とした。
森島の今季初得点で先制した前半から一転、後半は主導権を渡した。負けが込むチームはとにかく流れが悪い。後半18分に追い付かれ、10分後にはCKから勝ち越し点を許した。自信喪失中のチームは、まだ同点にもかかわらず、指揮官いわく「シュンとなってしまった」。同28分、セットプレーの守備で相手のフィールド選手最長身(188センチ)DF綱島を完全にフリーにする失態から勝ち越された。
14失点はリーグワースト。指揮官が「調子が上がる前にポロッと失点してしまう」と首をひねるように“守乱”は大きな課題だ。多くの負傷者を抱える苦しい状況で、前節から先発を5人入れ替え。追い上げたい1—2の後半35分に高卒1年目の18歳FW杉浦を投入せざるを得なかった。
0—4で大敗した川崎との開幕戦以降、最下位が“定位置”の状態が続く。円熟味が増すはずの就任4季目を迎えた長谷川監督の進退問題に発展する可能性も出てきた。次戦は、20日のルヴァン杯1回戦宮崎戦、リーグ戦は29日の第7節横浜FC戦。J3の宮崎、昇格組の横浜FCが相手とあって、勝利が厳命され、敗れれば監督の首元がより一層寒くなる連戦を迎える。
指揮官は「批判は甘んじて受けるが、あくまでポジティブに1勝を目指して戦っていく。1勝がチームに自信を与え、活路を見いだせる」と見据える。長いトンネルの先に光はあるのか。名古屋にとって辛抱のシーズンが続く。(岡島 智哉)
◆名古屋の97年の開幕6連敗 カルロス・ケイロス監督が指揮し、6連敗した後に5連勝の猛攻。第1ステージ(S)は6勝10敗の12位、第2Sは10勝6敗の5位。16勝16敗の年間総合9位となり、ケイロス監督はシーズン終了後の11月に解任された。
◆長谷川 健太(はせがわ・けんた)1965年9月25日、静岡・清水市(現・静岡市清水区)生まれ。59歳。現役時代はFWとして日産自動車、清水で活躍。J1通算207試合出場45得点、日本代表通算27試合4得点。監督として清水(2005〜10年)、G大阪(13〜17年)、FC東京(18〜21年途中)を率い、22年から名古屋監督。監督としてJ1優勝1回、ルヴァン杯優勝3回、天皇杯優勝2回で主要タイトル合計6冠。J1通算258勝は歴代2位。