巨人の26歳左腕がカブス手玉 3回無安打0封「自信ついた」 昨オフ戦力外からローテへ大抜擢 開幕3戦目vsヤクルト当確

2025年3月17日(月)5時20分 スポーツ報知

カブスを相手に力投する巨人2番手の石川(カメラ・小林 泰斗)

◆MLB 東京シリーズ by Guggenheim プレシーズンゲーム 巨人2—4カブス(16日、東京ドーム)

 面白いようにバットが空を切った。7回2死。巨人・石川達也投手(26)はカブス・鈴木誠也から宝刀チェンジアップで空振り三振を奪った。「自信がついた」とメジャー通算150発のハップ、23年打点王のタッカー、鈴木と並ぶ豪華上位打線を圧巻の3人斬り。昨オフ戦力外通告を味わった男が強力打線を手玉に取り、自身初の開幕ローテ入りを当確させた。

 6回からの3イニングを無安打0封で1四球。最速148キロの直球と対をなす110キロ台のチェンジアップが“魔球”と化した。巨人で印象に残った選手について誠也は「石川投手。チェンジアップがすごかった」と脱帽。一ゴロに封じたクローアームストロングからは「とても印象的だった。圧倒されたよ」と絶賛された。これでキャンプからの実戦は5試合、計12回15Kでいまだ失点ゼロ。阿部監督は「相手が意識してくれる武器を持っているのはすごく強み」と高評価し、先発ローテ入りを「もちろん」と明言した。

 これで開幕ローテの全容が固まった。当初日曜の構想だった田中将が木曜に回ったことで、石川は開幕3戦目のヤクルト戦(東京D)での先発が決定。2月のキャンプイン時は中継ぎスタートだったが、わずか1か月半で「日曜の男」へと大出世した。「去年ベイスターズを辞めた時には思ってもなかった」。自らの手でビッグチャンスをたぐり寄せた。

 恩返しの舞台でもあった。カブスのベンチには古巣DeNA時代に食事に連れて行ってもらうなどお世話になった今永の姿が。「メジャーに行ってからも、僕が打たれた時はすぐ連絡をくださったり、すごく気にかけていただきました」。カブス戦の登板が決まった際は先輩にすぐ連絡し「(メジャーの打者は)探り探りで来ると思うから」と授かっていた助言を生かして遊び球なしで攻め込んだ。試合前はカブスグッズをプレゼントしてもらい、2人で記念撮影。「グッドラック」との激励を力に変えた。

 「ここまでしっかり結果を残せている。しっかりチームを勝たせられるように頑張ります」。次回登板は23日の日曜、本拠地ロッテ戦。幼少期に通い詰めていた東京Dで鮮烈な輝きを放った。(堀内 啓太)

高木豊氏の「Point」

 石川は自分を確立できていて、度胸が据わっているところがいいね。「これで打たれたら仕方ない」と投げている。打者からチェンジアップとスクリューの見極めは難しい。しかも、右打者だけでなく、体方向に変化するスクリューを死球を恐れず、左打者にも投げ切れている。ホームまでの18.44メートルの半分くらいまで全球種が同じ軌道に見えるはずだ。先発で使わない手はないと思うよ。

 ◆石川 達也(いしかわ・たつや)1998年4月15日、横浜市生まれ。26歳。横浜高では楽天・藤平と同級生で甲子園にも出場。法大を経て2020年育成ドラフト1位でDeNAに入団。22年シーズン途中に支配下登録。24年オフ戦力外通告を受け巨人移籍。プロ通算46登板で0勝0敗5ホールド、防御率2・63。178センチ、75キロ。左投右打。

スポーツ報知

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