バニャイアとM.マルケス、二人の王者の攻防と転倒。両者の詳言は/MotoGP第2戦ポルトガルGP決勝

2024年3月25日(月)6時50分 AUTOSPORT web

 MotoGPポルトガルGP決勝レースの残り3周、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)とマルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)が接触し、転倒を喫した。レース後、この転倒について、それぞれの見解を聞いた。


 レース終盤、バニャイアとの差を詰めたマルケスは、5コーナーのブレーキングでバニャイアのインサイドに入った。スプリントレースの最終ラップで、ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)をオーバーテイクしたのと同じ場所だ。しかし、マルケスはややはらみ、バニャイアがクロスラインで抜き返そうとする。インサイドにラインを閉めようとするマルケスとバニャイアが接触し、ともに5コーナー外側のグラベルに滑っていった。


 レース後、バニャイアとマルケスに聞き取りが行われ、その結果、FIM MotoGPスチュワード・パネルにより「これ以上の措置はなし」との決定が下されている。


 では、両者はこのアクシデントについてどう考えているのか。囲み取材に応じた二人は、ともに同じく「レースアクシデント」という見解だった。というわけで、喧嘩両成敗……、とはいかない。マルケスが「アクシデントからたった1時間しか経っていないんだから、二人のライダーの意見が同じというわけにはいかない」と語っていたように、お互いがお互いに思うところはあるらしい。


 バニャイアは「怒っている」と言った。


「マルクがやって来たとき、彼は僕をオーバーテイクしようとした。彼がワイドになって、僕はラインをクロスさせようとしたし、彼は自分のラインをクロスさせようとした。そして当たったというわけなんだ」


「彼に怒っているのは、レースがノーポイントで終わったからなんだ。昨年の2戦目も同じで、自分のミスでゼロポイントに終わった。そして今年はレース・インシデントだ。もちろん、まだ残り38レースあるとわかっている。チャンピオンシップはすごく長いってね。でも、僕はもっとコンスタントな結果を期待していたし、望んでいた。昨年みたいにゼロポイントでスタートしたいわけじゃなかったんだ」


 転倒リタイアによってノーポイントで終わらせられたことに対して怒っている、と言うバニャイアに対して、転倒からレースに復帰して16位でゴールしたマルケスははっきりと「ペコのミス」だと述べている。


「レースディレクションに行ったときにスチュワードに言ったんだ。『これはレースアクシデントだ。限界すれすれのね。スチュワードは境界線を決めなくちゃいけない』って。
僕としては、(あのアクシデントは)ペコのミスによるものだと思っている」


「ただのアクシデントというわけじゃない。彼はポジションを取り戻そうとし、そう、楽観的すぎたからなんだ。接触は起こり得るものだけど、僕たちは5番手、6番手を争っていたわけで、(そのポジションでのバトルとしては)ミスだったよね」


「彼はタイヤにかなり苦しんでいた。特にリヤタイヤにね。残り3周でポジションを失うことがわかっていたんだから、アグレッシブに戻ってくる必要はなかったんだ。でも、彼はそうした。結果は二人のドゥカティが0ポイントだ」


 バニャイアは「ノーポイントに終わらせられたことに」怒っていると矛先をずらしているが、結局のところ、それは転倒が原因だし、マルケスはベテランらしくアクシデントに理解を示しつつも、苦言が混じっている。お互いがお互いにノーダメージのアクシデントというわけにはいかなかったのだから、彼らのコメントは理解できることだ。


 ただ、最後に一つ付け加えるなら、今回の2022年、2023年チャンピオンのバニャイアと、6回のタイトルに輝いたマルケスによる攻防戦は少しばかり後味の悪いものになったとはいえ、緊迫感をはらんだ見ごたえのあるものだった。今回の二人の王者によるコース上でのバトルは、序章。そんな期待と緊張もまた、二人の間に漂っていたようだ。

バニャイアもマルケスも「レースインシデント」と語ってはいたが、それぞれに思うところはあったようだ


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