森保ジャパンの武器に潜む欠陥とは【日本VSウルグアイ代表戦分析】

2023年3月26日(日)18時0分 FOOTBALL TRIBE

伊藤洋輝(左)森保一監督(中)三笘薫(右)写真:Getty Images

3月24日に東京・国立競技場にて行われたキリンチャレンジカップ2023で、サッカー日本代表はウルグアイ代表と対戦。前半38分、ウルグアイ代表MFフェデリコ・バルベルデに自ら放ったミドルシュートのこぼれ球を押し込まれたものの、日本代表はMF伊東純也が投入された後半16分を境に攻撃のリズムを掴む。同30分には伊東の右サイドからのクロスに途中出場のFW西村拓真が左足で合わせ、同点ゴールを挙げた。試合は1-1のドローで幕引きとなっている。


森保一監督のもとでFIFAワールドカップカタール2022を戦い抜き、2026年大会に向けてスタートを切った日本代表。ウルグアイ戦では各選手の技術や献身性の高さが窺えた一方で、特に守備面において緻密さに欠ける場面が見受けられた。ここでは、日本代表が試合を掌握しきれなかった原因について解説する。




日本代表 DF伊藤洋輝 写真:Getty Images

ウルグアイの隊形変化に苦しめられる


昨年12月に続投が発表された森保監督は、この試合で[4-2-3-1]の基本布陣を採用。日本代表はFW浅野拓磨とMF鎌田大地が守備時に横並びになり、[4-4-2]の布陣で武器でもあるハイプレスを仕掛けようとしたが、ウルグアイ代表の隊形変化に対応しきれなかった。


日本代表vsウルグアイ代表、先発メンバー

基本布陣[4-2-1-3]のウルグアイ代表は、自陣後方からのパス回しの際にMFマティアス・ベシーノがセバスティアン・コアテスとサンティアゴ・ブエノの両DF間(2センターバック間)へ降り、一時的に3バックを形成。これによりウルグアイ代表の3バックと、日本代表の2トップによる3対2の局面が生まれた。


この数的不利の状況下でのハイプレスを改善すべく、日本代表の左サイドハーフ三笘薫が相手DFブエノを捕捉。これでウルグアイ代表の3バックに3対3の数的同数で守れると思われたが、今度はDFジョバンニ・ゴンサレス(右サイドバック)へのマークが曖昧に。同選手をDF伊藤洋輝が前に出て捕捉するのか、それともMF守田英正がサイドへ飛び出して守備を行うのかがはっきりせず。故に日本代表は敵陣でボールを回収しきれない時間帯が続いた。


ウルグアイ代表の隊形変化に対する日本代表の守備

エクアドル戦でも同様の弱点


相手チームの隊形変化への対応の遅さは、かねてより森保ジャパンが抱えている弱点と言えよう。昨年9月27日のキリンチャレンジカップ(対エクアドル0-0)でも、4バックから3バックに隊形変化し攻撃を仕掛けてきたエクアドル代表に対し、日本代表は効果的なハイプレスを繰り出せず。自陣への撤退守備を余儀なくされたほか、エクアドル代表による最終ラインからのロングパス攻勢にも苦しめられた。


ウルグアイ代表 MFフェデリコ・バルベルデ 写真:Getty Images

今回のウルグアイ戦では日本代表の最前線、中盤、最終ラインの3列が間延びし、各ラインの隙間を相手選手に使われる場面もしばしば。この現象はハイプレスを仕掛けたい前線の選手と、自陣後方で待ち構えたい中盤や最終ラインの選手で守備の狙いがずれたことの証拠と言えるだろう。


2026年のワールドカップで日本代表が初のベスト8入りを果たすためには、相手の隊形変化に即したハイプレスと守備の連係を磨き上げる必要がありそうだ。

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